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日本雪氷学会2007年度学術賞受賞

07年10月02日

賞状を手にする鈴木教授

賞状を手にする鈴木教授

 9月26日に行われた(社)日本雪氷学会において本学理学部鈴木啓助教授(山岳科学総合研究所所長)が「日本雪氷学会2007年度学術賞」を受賞しました。
 (社)日本雪氷学会は、1939年に創設された雪氷学及び寒冷圏科学について世界をリードする学会です。雪氷学は、理学・工学・農学などの自然科学のみならず社会科学や医学なども含む総合科学です。学術賞は、「雪氷学の発展に貴重な貢献を与える研究を行った」研究者に与えられます。

 

 


受賞の内容
氏名:鈴木啓助
所属・職名:信州大学理学部・教授、信州大学山岳科学総合研究所・所長
学位:学術博士
研究題目:山岳地域における雪氷化学的研究
選考理由:
 鈴木啓助氏は、1980年代初めから雪氷化学に関する研究を先駆的に行い、降雪粒子による海塩起源物質の捕捉機構や、積雪粒子の変態過程における化学物質の析出と、それに伴う融雪水の酸性化などの雪氷化学的課題について独創的な研究成果を上げてきた。そして、1996年に信州大学に異動してからは、地の利を活かした山岳地域に研究対象を展開し、研究例の少ない山岳地域の積雪から渓流水に到る雪氷化学的研究を精力的に行っている。山岳地域の積雪から中長距離輸送された化学成分を分析し、降雪時の気圧配置により降雪中の化学成分組成が異なることを明らかにするとともに、山岳地域の降雪の酸性化が進行し源流域の渓流水も融雪期にはpHが低下することなどを明らかにした。さらには南極氷床やアルタイ山脈の氷河の雪氷化学的研究についても研究成果を公表している。このように鈴木啓助氏は、雪氷学では新しい研究分野である雪氷化学の発展に重要な貢献をしており、2007年度学術賞に選考する。