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文部科学省「専門職大学院等教育推進プログラム」に採択

07年08月10日

 文部科学省の国公私立の学校教員養成大学、大学院等に重点的に支援することを目的にした「専門職大学院等教育推進プログラム」の公募に、信州大学大学院教育学研究科から、大学等における教員養成教育の充実をテーマにした「問題志向のコースワーク設計による人材育成」-実践と研究の一体化による特別支援学校教員対象の大学院プログラム-を申請し、平成19年8月9日に採択されました。

 この取り組みの概要は、以下のとおりです。
 特別支援学校の現場が抱える第一の課題は、特別支援学校に在籍する児童生徒には、障害自体への対応の困難さだけでなく、心理適応の問題や重複障害に伴う医療的ケアの問題が重層的に存在しているため、特別支援学校教員の日々の実践をめぐる問題状況はより複雑になっていることです。
 第二に、特別支援学校教員には、児童生徒への教育に加え、保護者との協働、教員間のチーム支援、福祉・労働領域との連携、特別支援コーディネータとしての役割といった広範囲な専門性が要求されており、これまでの教員の専門性では対応できない状況にあることです。
 これらの課題の解決には、特別支援学校教員が学校現場の抱える多様で広範な問題に応えうる専門性を身につけることが不可欠であります。しかし、従来の大学院の研修カリキュラムはこうした教育現場の課題に対応できるものにはなっていません。加えて、県からの派遣教員の枠は少なく、現職教員が大学院で学ぶ機会はきわめて限られています。
 こうした現状のうえに立って、本プロジェクトは、現職教員の専門性を向上させるために、これまでの障害児の教育、心理、病理の枠組みを超えた新たな問題志向型の大学院カリキュラムの開発と、そのための授業担当体制の再構成を図るものです。

 本プロジェクトは、以下の3つの柱によって構成されています。
(1)学校現場の実践と大学院での研究を一体化させるコースワーク設計
特別支援学校の実践を研究のフィールドとして大学院での研究と結びつけることにより、学校現場の課題解決に理論的根拠が与えられる。
(2)現職教員対象の大学院夜間コース(特別支援教育コース)の設置
夜間開講や、休業中の集中開講により、現職教員が現職に就いたまま大学院のコースワーク(修士課程ユニット、科目等履修ユニット)を受講できる体制を整えることができる。
(3)新たな授業科目の開設とそれを保証する授業担当体制の再編成
現場の課題に対応できる多様で広範な授業科目を、従来よりも広い専門領域をカバーする専門スタッフにより提供できる。

実践と教育研究の一体化構想

実践と教育研究の一体化構想