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新年あいさつ交歓会

07年01月04日

小宮山学長

小宮山学長

年頭のあいさつ

信州大学長  小宮山 淳

 新年明けましておめでとうございます。皆さまには良いお年を迎えられたことと存じます。本年もよろしくお願いいたします。
 この年末年始、マスコミは政治、経済、社会などのいくつかの特集を組んでおりました。世界的課題である温暖化やエネルギー問題、そして国内的にはさらに少子高齢化、格差社会、教育問題など多岐に亘りましたが、その中にあって、信州大学の医学部、繊維学部、農学部などの研究成果が、正月の新聞紙上を飾っており、とても明るい話題を提供してくれました。

 さて、信州大学が法人化し、まもなく4年目に入ろうとしております。この間、人件費削減など想定外の事態にも遭遇しましたが、中期目標・計画に沿って大学改革を鋭意推進しながら、教育、研究、さらに社会貢献などで顕著な成果をあげてまいりました。たとえば、全学教育機構新設による共通教育改革、数多くの教育GP採択、卓越した研究成果の高い評価、先端医療や予防医療の推進、地域特色を生かした産学官連携事業の展開など、マスコミでもその都度大きく報道されてきています。また、学生や教職員が一丸となって取り組んできたISOエコキャンパスづくりが、着実に全学展開しつつあり、「環境マインドの育成」という個性的教育プログラムへの期待が一段と高まっております。これらの成果は、ひとえに教職員や学生の創意工夫と熱意、そして学外の多くの方々のご支援によるものであり、改めて敬意と感謝を表します。

 このような活動実績はさまざまな場面で評価を受けますが、概算要求の採択にもそれが反映されます。ここで、昨年末に予算内示があった事項の主なものをご紹介しましょう。概算要求新規事項としては、[組織整備]では、1) 医学部保健学科の教員相当数4人、2) 医学部保健学科の「保健学専攻(修士課程)の新設」、そして[特別教育研究経費]では、3) 全部局の教育改革「複数分野の科学マインドと課題解決のための能力基盤を持つ人材を養成する教育プログラムの創出」、4) 附属病院の「医師不足分野等教育指導推進経費」、5) 工学系研究科と経済・社会政策科学研究科等の「再チャレンジ支援経費」が認められました。また、施設整備費等の当初予算事業としては、1) 附属病院関係で「看護士宿舎耐震改修」及び「外来診療棟(仕上)」、2) 常田キャンパスの「先進ファイバー工学研究棟改修」、3) 各種営繕事業が、そして18年度補正予算事業として、1) 若里キャンパスの「総合研究棟改修」、2) 旭キャンパスの「人文学部研究講義棟、理学部生物学科校舎、全学教育機構講義棟の耐震改修」が予算化される見込みとなりました。本学にとって極めて貴重な事項がいくつも認められたことに、格別な思いを致すとともに、概算要求等にあたって、多大なご尽力をされた関係者各位に改めて感謝をいたします。

 ところで、前述のように今や、法人化へのランディングはしっかりでき、新たな創造と挑戦に向けての基盤は十分に整ったものと考えます。そして現在、役員会のもとで、信州大学の長期ビジョンを策定中であります。この策定にあたっては、部局長はもとより学内外に広く意見を求めるとともに、バランス・スコアカード作成やSWOT分析などを活用し、柔軟かつ多角的に検討することにしています。まずは強み(Strength)を生かすこと、そして弱み(Weakness)をなくし、機会(Opportunity)を探り、脅威(Threat)を除くことに心がけるべきでありましょう。大学は今、ユニバーサル化や全入時代の到来、競争原理、グローバル化、厳しい国家財政など、構造的な激しい環境変化に晒されています。このような状況にあって、新たに取り入れるべきもの、変革すべきものは少なくありません。しかしながら一方では、決して失ってはならないものがあるはずです。これらを的確に見定めることが肝要でありましょう。

 信州大学は教育、研究、社会貢献のいずれの分野でも個性的で優れた資源を有しており、また立地条件にも恵まれています。これら特色を生かしながら、全員が一丸となり英知を結集することによって、必ずや個性輝く大学として大きく発展できるはずです。教職員皆さまには、建設的なアイデアなど、より積極的なご提言を期待いたしますとともに、一層のご尽力をお願いいたします。
 2007年、本年が充実したすばらしい年でありますよう祈念し、年頭のあいさつといたします。

                     2007年 1月 4日

小宮山学長

小宮山学長

職員を前に

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