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公開シンポジウム「H18年7月豪雨災害に学ぶ」を開催

06年09月15日

会場受付

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 9月10日(日)、諏訪市文化センターに於いて、信州大学自然災害科学研究会と山岳科学総合研究所による公開シンポジウム「平成18年7月長野県豪雨災害に学ぶ」を開催、被災地住民の方々をはじめ長野県内各地より、予想を超える200名の方々が参加されました。7月19日に起きた岡谷市・辰野町の土砂災害の調査報告と、今後の災害を防ぐ、あるいは被害を大きくしないための話題提供、討論が行われ、会場からは、活発な質問が寄せられました。開催時間は午後1時から6時まで、5時間という長時間に及びましたが、大勢の参加者が最後まで参加する、盛況なシンポジウムとなりました。
 前半の講演会では、初めに研究会会長の小坂共栄教授(理)から自分の住む地域の大地の成り立ちと起こりうる災害をよく知り、それに備えることが重要であることが語られました。続いて大塚勉助教授(理)は、岡谷市・辰野町の地質的な特徴を解説、今回の土石流は塩嶺―洪水型であったと報告しました。北原曜教授(農)は土石流と降雨量、斜面の傾きや、合流点での本流との角度、またローム層(火山起源)や間伐遅れのカラマツと土石流発生との関連について語りました。
 後半では会場からの質問の合間に、公文富士夫教授(理)が、降雨量から読み取れる情報について、そして島野光司助教授からは、流木となったカラマツに注目して、樹種や手入れによる根の張り方について話題提供がなされました。
 最後に小坂教授が「防災は、住民と行政、そして専門家の3者が力を合わせることが大事なことであり、自然災害科学研究会、山岳科学総合研究所ともに、今後積極的に取り組んでいきたい」と挨拶、さまざまな視点で検証されたシンポジウムを締めくくりました。司会進行役は、三宅康幸教授(理)、と宮崎敏孝助教授(農)の2名が務めました。

説明に聞き入る参加者

説明に聞き入る参加者

「災害は忘れずにくる」と小坂教授

「災害は忘れずにくる」と小坂教授