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先鋭領域融合研究群環境・エネルギー材料科学研究所のVallejos Burgos Fernando Estebanさんが日本吸着学会研究発表会ポスター賞を受賞

16年12月12日

先鋭領域融合研究群環境・エネルギー材料科学研究所金子研究室博士研究員のVallejos Burgos Fernando Estebanさんが、第30回日本吸着学会研究発表会(11月9日~11日、於 長崎大学)で発表した「Quasi-wall effect in graphene nanowindows」が高い評価を受け、ポスター賞を受賞しました。

 

その発表内容は、極限的な分離膜として期待されるグラフェンに0.4nmのナノ窓を導入して、アルゴンと窒素分子がどのようにそのナノ窓を透過するかを実験と分子動力学から検討したものです。アルゴンと窒素分子に著しい透過性の差が実験的に認められました。その理由は電気的分極(4重極子による)している窒素分子は、酸性基があるナノ窓の巨大な局所電場と強い相互作用をして、迅速にナノ窓に一定時間トラップされ、その後ナノ窓から離れます(グラフェンの窓を通過)。ただ、その一定時間ナノ窓にトラップされている窒素分子に他の窒素分子が“吸着”します。あたかもトラップされている窒素分子がグラフェンの“壁”のような働きをします。一方、電気分極がないアルゴンはナノ窓との相互作用が小さく、ナノ窓付近に近寄る機会も小さいために、“壁”の働きをすることもなく、ナノ窓透過は窒素に比べて極めて小さいことがわかりました。このアルゴンと窒素分子のナノ窓付近での挙動が明瞭にわかるように、“3Dカメラ”も準備されていたために、参加者から大きな評価を受けました。

(文責 先鋭領域融合研究群 環境・エネルギー材料科学研究所 金子 克美)

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