信州大学と(株)ジュポンインターナショナルが、皮膚炎発症を抑えるマルメロ抽出の新エキスを開発
16年09月23日
信州大学の濵渦康範(はまうずやすのり)学術研究院准教授(農学系)及び、河原岳志(かわはらたけし)学術研究院准教授(農学系)は、(株)ジュポンインターナショナルとの共同研究により、皮膚炎を抑制するマルメロ種子抽出の新エキスを開発し、2016年3月に製法特許が登録となりました。
マルメロ種子抽出物にこのような作用があることが確認、報告されたのは初めてのことで、この新エキスは(株)ジュポンインターナショナルにより「シドニノール®」の商標で登録され、これを配合した化粧品の新商品が、2016年9月21日に新発売されました。
(研究の背景と成果の概要)
化粧品メーカーの(株)ジュポンインターナショナルが製品のリニューアルを計画していた折、濵渦准教授と河原准教授の研究内容(マルメロエキス摂取による胃粘膜傷害抑制効果やアレルギー抑制効果)を知り、2013年から新商品開発に向けた共同研究を行ってきました。
(株)ジュポンインターナショナルは、高い保水能力で知られるマルメロ種子の熱水抽出物(クインスシードエキス)を用いたリキッドファンデーションを、「オイルフリーでお肌に優しい」化粧品として主にサロン向けに販売している企業です。
そして、2015年に、皮膚バリア機能を低下させたアトピー性皮膚炎モデルマウスにマルメロ種子からの抽出エキスを塗布することで、皮膚炎の発症が顕著に抑制されることが明らかとなりました。マルメロ種子抽出物にこのような作用があることが確認、報告されたのは初めてのことです。
この「新たな機能を持つ抽出物」は信州大学と同社により2016年3月に製法特許が登録となりました(第5896368号)。また、この新エキスは「シドニノール®」の商標で登録され、今年9月21日から発売される同社のリキッドファンデーションの新商品「ナチュラルスィートファンデーションS」(写真①)に配合されることになりました。
【参考】
(株)ジュポンインターナショナルの企業情報と新製品については、
同社のホームページをご覧ください。http://www.jupon-cosme.co.jp/