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天皇皇后両陛下が信州大学をご視察

16年06月08日

全国植樹祭の式典にご出席されるため、長野県を訪れた天皇皇后両陛下は6月5日、信州大学長野(工学)キャンパス内の国際科学イノベーションセンター(AICS)をご視察されました。天皇皇后両陛下が信州大学をご訪問されるのは、1949(昭和24)年の開学以来、初めてのこととなります。


両陛下は午後2時半、長野(工学)キャンパスのセンターに到着され、正門近くに詰めかけた学生や職員約170人からの歓迎に、右手を挙げて応えられました。

センターの玄関では、濱田州博学長、中村宗一郎理事、半田志郎副学長(工学部長・センター長)らが両陛下を出迎えご挨拶させていただきました。


2階展示コーナーでは、半田副学長がまず、同センターの概要について両陛下にご説明。両陛下は、200分の1スケールで作られた同センターの模型を観察されながら、壁面を覆うように設置された太陽光発電パネルにご興味を示し、その設置場所について問われる内容のお言葉がありました。半田副学長は「北を除くすべての壁面と屋上に設置されており、すべて合わせると300キロワットの発電能力があります」とご説明しました。


続いて、遠藤守信・特別特任教授が、自らが研究リーダーを務めるアクア・イノベーション拠点(COI)のプロジェクトについて解説させていただきました。遠藤教授は、開発したばかりのナノカーボン膜の実物や、ナノカーボン膜で食用色素を脱色する実験装置、食塩を脱塩する実験装置、将来ビジョンの未来「水」社会を立体的に表現したジオラマなどを用いてご説明しました。


この中で両陛下は、ナノカーボン膜が、通常の逆浸透膜と比べ、面にごみがつきにくいという説明にご興味を示され、そのメカニズムについて問う趣旨のお言葉がありました。遠藤特別特任教授は「それは陛下、大変難しいご質問、ありがとうございます。膜の電荷、化学的な力関係、表面の凹凸などが総合的に関与していると考えており、メカニズムを解明するべく研究を進めているところです」とご説明しました。両陛下のご視察には、義家弘介・文部科学副大臣、阿部守一・長野県知事も立ち合いました。

遠藤守信特別特任教授の説明に耳を傾けられる天皇皇后両陛下(画像提供:長野県)

遠藤守信特別特任教授の説明に耳を傾けられる天皇皇后両陛下(画像提供:長野県)

視察に合わせて設置したジオラマ

視察に合わせて設置したジオラマ