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工学部で「ソルガムきび健康食品コンペティション」を開催、工学部4年生原田憲さんが最優秀賞を受賞

15年12月08日

  平成27年11月26日(木)、信州大学や長野市などで組織した実行委員会が「ソルガムきび健康食品コンペティション」の公開試食審査会を工学部(長野キャンパス)で開催しました。本コンペティションはイネ科の雑穀ソルガムきびの実を使った食品のアイデアを競うもので、耕作放棄地の解消と地域農業の活性化を目指し、工学部と長野市が共同で進めているソルガムきびの活用研究の一環でもあります。会場には、応募のあった63作品のうち、ソルガムきびを練り込んだ餅や粉末を利用した菓子など、書類審査を通った個性豊かな26作品が出品されました。
  審査の結果、最優秀賞に選ばれたのは信大工学部4年生原田憲さんが考案した「ソルガムなっとう」。市西部の西山地区特産「西山大豆」をソルガムきびと共に発酵させた納豆で、ソルガムきびのプチプチとした食感が特徴です。
  原田さんは「西山大豆も栽培面積が減っており、この取り組みを契機に地域の課題にも目を向けました。“おいしい”と言ってもらえたことがうれしい。ソルガムきびの認知度アップと可能性を探ることにつながれば」と話しました。この「ソルガムなっとう」は来年度の商品化を目指します。
  工学部は、平成25年度から多くの中山間地域を抱える長野市と共同し、山間部の急傾斜地に多い耕作放棄地であっても栽培が容易な作物として、成長力が高く病気、乾燥に強いソルガムきびに着目、共に栽培試験などを進めてきました。また、ソルガムきびは食物繊維やミネラルが豊富な上、グルテンを含まないため小麦アレルギー患者のための代替食品としても期待されています。
  これまで、工学部は民間企業と協力し、ソルガムきびの茎葉を活用したキノコ栽培、廃培地を使ったバイオガス発電やメタン発酵後の消化液の肥料開発などに取り組んできましたが、子実の食用利用については民間や一般の発想を活かしたいと本コンペティションを企画、アイデアを募りました。
  当日は、事前申込のあった一般参加者や学内関係者約100名のほか、関連研究を中心となって進めている▽信大地域戦略センター副センター長で学術研究院(工学系)天野良彦教授▽料理研究家の横山タカ子さん▽ホテルインターコンチネンタル東京ベイ副総料理長の佃勇さんを始め、民間企業から▽東急ハンズ長野店店長後藤千夏さん▽サークルKサンクスバイヤー清水重秋さんなどが審査に当たり、最優秀賞、各部門賞、審査員特別賞5点を決定しました。また、横山さん、佃さんの特別講演もあり、参加者はソルガムきびへの理解をより深めました。
  天野教授は、「ソルガムきびが長野県のブランドとなるよう広めていきたい。これからも地域との共同事業として頑張っていきたいと思う」と抱負を語り、今後の展開に期待をにじませました。

試食会では審査員と共に大勢の参加者が審査に参加し、賑わいをみせた

試食会では審査員と共に大勢の参加者が審査に参加し、賑わいをみせた

最優秀賞を受賞した「ソルガムなっとう」

最優秀賞を受賞した「ソルガムなっとう」

「ソルガムなっとう」を考案した工学部4年の原田憲さん

「ソルガムなっとう」を考案した工学部4年の原田憲さん

本コンペティション入賞者と審査員の方々

本コンペティション入賞者と審査員の方々