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「医療機器製品・部品メーカーによる技術シーズ展示会2015」を開催

15年12月25日

タカノ株式会社と信大医学部が開発した手術用いす「サージカルサポートチェア」

タカノ株式会社と信大医学部が開発した手術用いす「サージカルサポートチェア」

  信州大学医学部と精密機器・医療関連機器メーカーなどで組織した信州メディカル産業振興会が、2015年12月16~17日の2日間、「医療機器製品・部品メーカーによる技術シーズ展示会2015」を開催しました。同展示会は、会員企業の技術シーズを主に医療従事者に向けて展示・発信することで、医療従事者の現場ニーズとのマッチングを図り、新しい医療機器等の開発アイデアに結びつけることを目的に毎年開催しています。
  第4回目となる今回は、信州大学医学部附属病院の大会議室を会場に、22社の製品や技術、部品などを展示、2日間でのべ270名が来場しました。
  16日は、同振興会への参加をきっかけに共同研究を進めてきた業務用いす製造メーカータカノ株式会社(本社・上伊那郡宮田村)と信大医学部が、新たに開発した手術用いす「サージカルサポートチェア」の記者発表会もありました。
「サージカルサポートチェア」は、形成外科医をはじめ、座位状態で長時間の手術を必要とする医師向けに、新たに開発した製品です。10時間以上の座位を必要とする手術でも、圧力を分散させ座骨を圧迫しないよう構造上工夫し、疲れにくい姿勢に導くと共に、座位面も蒸れにくいメッシュ素材を採用しています。いすが動きすぎないように転がりを抑えるブレーキキャスターや、術中、手を使わず高さ調整が簡便に行えるように足で操作するガスポンプ式昇降ペダルを採用したり、術中の医師の動きや衛生面にも配慮しています。
  同社と共同研究を進めた信州大学医学部松尾清特任教授は、「これまで手術用のいすはスツールのようなものしかなく、それを当たり前として受け入れてきました。オフィスチェアは進化しているのに、医療用は進歩がなかった。メディカル産業振興会ができ、企業との窓口が開かれたことで、長野県企業の優れた技術シーズを知り、この製品開発につながりました。医療環境の改善を目指したい」と新製品がもたらす可能性に期待を寄せました。
  展示会では、セイコーエプソン株式会社(本社・諏訪市)が2015年9月から発売を開始した、メガネのように装着し、レンズを通して視界に情報を表示させる業務用スマートヘッドセット「MOVERIO Pro BT-2000」などの最新機器のほか、手術中の局所撮影用カメラアーム(サイウィンド株式会社・岡谷市)など、さまざまな業界からの出展がありました。
  また、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の阪本剛氏による講演や出展企業によるミニプレゼンテーションもあり、参加者相互の活発なコミュニケーションが実現しました。

信大医学部と共同研究を進めたタカノ株式会社 取締役 臼井俊行 氏 (記者会見)

信大医学部と共同研究を進めたタカノ株式会社 取締役 臼井俊行 氏 (記者会見)

タカノ株式会社ファニチャー&ヘルスケア部門開発部メディカルヘルスケア課 課長 倉田文博 氏 (記者会見)

タカノ株式会社ファニチャー&ヘルスケア部門開発部メディカルヘルスケア課 課長 倉田文博 氏 (記者会見)

信州大学医学部松尾清特任教授。形成外科医として共同研究を進めた (記者会見)

信州大学医学部松尾清特任教授。形成外科医として共同研究を進めた (記者会見)

サイウィンド株式会社の局所撮影用カメラアーム

サイウィンド株式会社の局所撮影用カメラアーム

セイコーエプソン株式会社が開発した業務用スマートヘッドセット「MOVERIO Pro BT-2000」

セイコーエプソン株式会社が開発した業務用スマートヘッドセット「MOVERIO Pro BT-2000」