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平成28年 年頭のご挨拶

教職員向けお知らせ

平成28年 年頭のご挨拶

16年01月04日

平成28年 年頭のご挨拶

学長 濱田州博


 謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 平成28年が教職員、学生の皆様をはじめ関係する皆様にとって良い年でありますようまずは祈念申し上げます。本年もよろしくお願い申し上げます。

   昨年、平成27年を振り返って、二つのことを強く感じております。一つは気候変動に関することで、これまでと気温の変化も違えば降水・降雪の仕方も変わってきているように感じています。折しもフランス・パリで、気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が開催され、法的拘束力のある「パリ協定」が採択されました。「パリ協定」では、気温上昇を1.5度未満に抑えることを視野に入れ、2度未満に抑えることを決意しております。今後この目標に向けて世界が一丸となって進む必要があると感じていますし、気候変動の仕組みをより明らかにする研究も今まで以上に必要だと思っております。国立大学法人で最も高地に位置する信州大学でも特色ある研究で寄与できる分野かと思っております。

   もう一つは、横浜のマンションに端を発した杭打ち工事データ改ざんで、業界団体の調査で多くのデータ改ざんが判明しています。日常的にデータ改ざんが行われていたようであり、非常に残念でなりません。データ等の改ざんやねつ造は決して行ってはならないことであり、倫理教育の重要性が叫ばれているところです。信州大学を中心に行っているCITI Japanプロジェクトでは、研究者に求められる行動規範に関して日本独自の教育を確立し、多くの大学で活用されています。このような教育は、研究者だけでなく、すべての職種の方に必要であり、教育の中に組み込んでいかなければならないと思います。

   一方、信州大学では、教育組織の改編が進んでおります。平成27年度には、理学部(6学科から2学科に)と農学部(3学科から1学科に)が改組しました。平成28年度には、教育学部(「生涯スポーツ課程」と「教育カウンセリング課程」の学生募集を停止し、1課程14コースで学生募集)、経法学部(経済学部から経法学部に改称し、学士(経済学)を授与する応用経済学科と学士(法学)を授与する総合法律学科の2学科体制に)、工学部(7学科から5学科に)、繊維学部(4系9課程から4学科に)が改組します。また、大学院修士課程でも平成28年度から新たな組織がスタートします。一つは、教育学研究科に高度教職実践専攻(教職大学院)を設置することです。もう一つは、理工学系研究科と農学研究科の2研究科18専攻を、理学、工学、繊維学、農学及び生命医工学の5専攻により構成される総合理工学研究科へ統合再編することです。何れも時代にマッチし、研究に裏打ちされた充実した組織にしていければと考えております。新たな教育組織の立ち上げに際し、皆様のご協力をお願いする次第です。

   さらに、平成28年度から第3期中期目標・中期計画期間が始まります。信州大学では、3分類の内、重点支援①を選択し、先鋭領域融合研究群を中心とした世界的な教育研究と他分野における地域的・全国的な教育研究拠点を構築することを目標に掲げております。地域的な取り組みを重視しながらも特色ある分野で世界ナンバーワンを目指していければと考えており、構成員の皆様には特色ある分野で世界を目指すための施策を一緒にお考えいただければと思っております。

   ところで、平成28年は干支で言うと丙申(ひのえさる)です。インターネットで調べると「形がはっきりする、固まっていく」という意味があるようで、今進んでいる信州大学の改革が実を結べばと思っております。

   教職員、学生の皆様をはじめ関係する皆様にとって、平成28年に実を結ぶことが多いことを祈念申し上げて、年頭のご挨拶とさせていただきます。