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年頭のあいさつ

教職員向けお知らせ

年頭のあいさつ

09年01月05日

年頭のあいさつ

学長  小宮山

 

新年あけましておめでとうございます。おだやかな天気に恵まれた三が日でしたが、皆さまには良いお年を迎えられたことと存じます。本年もよろしくお願いいたします。

この年末年始、マスコミは国内外の政治、経済、社会などに関する目まぐるしい変容、当面する課題とその対応などについて特集を組んでおりました。その中で大きく取り扱われていたのは、世界的な景気後退ではなかったでしょうか。経済不況に対して、緊急手当とともに中長期的対策についても論じられており、その一環として、将来を見据えた人づくりの重要性が強調されているのが目にとまりました。オバマ次期米大統領は年頭に、長期的繁栄に向けて、まずはインフラ整備や教育、医療などの分野への戦略的投資が必要だと国民に訴えたそうです。ここでも教育が重点的に取り上げられており、我が国を含め世界的に人材育成への期待がますます高まっていくものと思われます。

さて、信州大学では大学改革を継続的に進めながら、2008年度においても教育、研究、さらに社会貢献などで顕著な成果をあげてきました。個性的な教育プログラムである「環境マインドの育成」のもとで、学生諸君はISO14001認証エコキャンパス活動へも意欲的に参画しており、実に頼もしいかぎりです。また、学習活動やサークル活動などでも目覚ましい活躍があり、国際的あるいは全国的な各種大会で健闘するとともに、いくつもの栄えある受賞に輝いたことが特筆されます。

競争的プロジェクトでは、文科省の「戦略的大学連携支援事業」と「産学官連携戦略展開事業」に採択されたことが注目されます。長野県内の高等教育機関連携を中核としたこれら事業には地域から多大な期待が寄せられており、本学は地域拠点大学として、ここでも大いに力を発揮していきたいものです。現在推進中の教育GP関連事業をはじめ、大型研究推進プロジェクトであるグローバルCOE、科学技術振興調整費、(科研)特別推進研究、知的クラスター創成事業(第Ⅱ期)など、確かな成果が得られつつあることは申すまでもありません。この他にも、卓越した研究成果、先端医療や予防医療、地域特色を活かした産学官連携事業の展開など、マスコミでも折々に大きく報道されてきました。地域貢献でも高く評価されていることは周知のところです。これらの輝かしい成果は、ひとえに教職員はじめ関係者各位の創意工夫と熱意によるものであり、心から敬意と謝意を表します。

このような活動実績や成果は、概算要求の採択にも反映されます。昨年末に予算内示があった新規事項では、医学系研究科保健学専攻(博士後期課程)の新設、医学部入学定員5人増、研究推進事業「科学的エビデンスに基づいた予防医療システムの構築」、基盤的設備整備「遺伝子改変動物の網羅的遺伝子発現解析システム」をはじめ、本学にとって重要な多くの事項が認められました。また、施設整備費補助金等実施事業では、医学部、農学部、教育学部の「総合研究棟耐震対策事業」が、実施予定事業では附属病院の「診療棟改修と基幹・環境整備」、工学部の「総合研究棟耐震対策事業」などが予算化されました。概算要求にあたって、並々ならぬご尽力をされた関係者各位に改めて感謝をいたします。私どもは、この勢いを持続し、さらに高めていかなくてはなりません。

ところで、第一期中期目標・中期計画の最終年度を迎えます。昨年6月には、その暫定評価のための報告書を文科省へ提出したところですが、皆さまの日ごろのご努力により、目標・計画の達成状況は順調に進捗しつつあります。最終年度での達成に向けて一層励まなくてはなりませんが、それとともに大切なことは、第二期中期目標期間における、新たな創造と挑戦のための基盤をしっかり整えることでありましょう。幸いにも先日、その目標・計画の骨子となる「信州大学ビジョン2015」に沿った「アクションプラン」が策定されました。皆さまのご理解とご協力により、ここには全学の創意や意思が基本的に反映できたものと、心強く思っております。

「信州大学ビジョン2015」でも謳っているように、大学を巡る厳しい環境に屈することなく、むしろ飛躍への機会としてとらえ、恵まれた歴史と立地条件を活かしオンリーワン、ナンバーワンの教育研究領域を開拓していきましょう。これまで培ってきた秀でた資源のもとで、全員が一丸となり英知を結集することによって、必ずや個性輝く大学として大きく発展できるはずであります。一層のご尽力をお願いいたします。

2009年が、充実したすばらしい年でありますよう祈念し、年頭のあいさつといたします。