平成24年度放送公開講座 第5回 地域食資源で高血圧予防-血圧を下げるソバの漬物「発酵キョウバク」-

第5回 2月23日(土)15:00~15:30
「地域食資源で高血圧予防-血圧を下げるソバの漬物「発酵キョウバク」-」 中村浩蔵 (農学部 准教授)

  長野県には伝統的な地域食資源が数多くありますが、ソバと漬物はその中でも代表的なものと言えるでしょう。今回紹介する「発酵キョウバク」は、この2つの長野県特産物を掛け合わせた、いわば、ソバの漬物です。ソバ栽培が盛んな長野県で古くから食されてきたソバ菜という伝統野菜を、塩を使わないすんき漬の製法で乳酸発酵させて造ります。我々は「ソバは血圧に効く」という伝承を手掛かりに研究を進め、発酵キョウバクの優れた降圧効果と有効成分を明らかにしました。
  高血圧は、国民医療費の21%が費やされている我が国最大の病気である循環器系疾患の重要な危険因子です。高血圧は自覚症状が無いため放置されがちですが、放置すると確実に脳卒中、心臓病、動脈硬化などの重大な病気の危険性が高まります。健康で長生きするためには、高血圧の予防が大切です。現在、発酵キョウバクを高血圧予防食品として役立てるための実用化研究を進めています。本講座では、発酵キョウバクの高血圧予防食品としての現状と課題、そして将来性について紹介します。

(映像制作・提供 SBC信越放送)