信州大学繊維学部および国際ファイバー工学研究所の紹介を行う森川英明教授

Workshop for Aiming Collaborative Activities between BOKU and Shinshu Univ が 12月4日に開催されました。このワークショップはウィーン天然資源大学の Thomas Rosenau 教授を招き、ウィーン天然資源大学の研究環境・プロジェクトと信州大学のセルロース・天然多糖関連研究成果を共有し、今後の国際共同研究体制を作るためのオープンな情報交換の場として企画されたものです。

午前中の部では、国際ファイバー工学研究所 (以下IFES) 連携室長の森川英明教授から、信州大学繊維学部とIFESの教育研究体制の紹介があり、次いで、Thomas Rosenau 教授の基調講演「Division of Chemistry of Renewables, Department of Chemistry, University of Natural Resources and Life Sciences (BOKU)」が行われました。午後の部では、IFES バイオ・メディカルファイバー研究部門大川浩作教授の講演「Electrospun Nanofibers of Polysaccharides and their Potential Applications」で天然多糖ナノファイバーとそれらの応用研究が紹介され、次いで同研究部門の荒木潤准教授による講演「Surface Modification of Colloidal Cellulose/Chitin Nanowhiskers for Property Managements」では、天然多糖の新素材であるナノウィスカーの構造制御を含む先端研究が説明されました。IFES フロンティアファイバー研究部門の後藤康夫准教授の講演「Spinning and Mechanical Properties of Cellulose and Cellulose Derivative Fibers」では、伝統的なセルロース再生繊維製造法を発展するための要素技術について紹介があり、製造工程の緻密な制御により、従来の再生セルロース繊維を高付加価値の新素材として利用する斬新なアイデアが述べられました。信州大学工学部の若手研究者、水野正浩助教による講演「Production of Cellulose Nanofiber by Combination of Swollenin Protein and Ultra-sonication」では、セルロースナノファイバー製造をほぼ完全なグリーンプロセスへと変革可能な新技術の説明があり、さらに、バクテリアセルロースの構造制御にも繋がる研究成果が紹介されました。最後に山中茂信州大学特任教授から、セルロース資源と利用技術の今後の展望が述べられワークショップは締めくくられました。その後、IFES 所長・スマートテキスタイル研究部門長の高寺政行教授、感性・ファッション工学研究部門長の乾滋教授、Thomas Rosenau 教授とワークショップ講師とのミックスを企画し、信州大学大学院リーディングプログラム在籍学生とBOKUの学生交流のための Student Workshop 開催などについて、ざっくばらんな雰囲気の中で意見が交わされました。

全スケジュールを通し、非常に活発な議論が行われ、BOKUと信州大学との包括的共同研究推進のための確かな基盤が形成されました。

講演を行うProf. Thomas Rosenau

ワークショップ講演者および参加者