井上 聡太

スペイン留学を経て

短期留学

井上 聡太さん

教育学部 学校教育教員養成課程
留学種類:交換留学
留学期間:2017年 9月 ~ 2018年 5月
留学先:スペイン アルカラ大学カルデナルシスネロス校

留学先大学について

 アルカラ大学はマドリード州郊外のアルカラ・デ・エナーレスに位置する。数ある学部の中でも提携先のカルデナルシスネロス校は日本でいう所の教育学部にあたり、教員育成用のコースや、心理学のコースなどがある。特に教員養成用のコースには、バイリンガルコースという講義の大部分を英語で受講するコースがあり、基本的にはそこに所属する学生とともに講義に参加する形になる。

学習面について

 受講する講義にもよるが、ほとんどの講義は生徒主体のものであり、講義の大半は学生内でのディスカッションやグループワークである。それらに十分に参加するためには、講義の内容を踏まえていることがとても重要である。毎日ではないが、かなり高い頻度で小レポートの課題が出たり、小テストがあったりするため日々の予習と復習は欠かさず行っていた。また、内容を理解したうえで自分の考えを発表したり、議論したりできるほどのスピーキング能力も求められる。現地の大学生のほとんどは大学の講義に真剣に取り組んでいて、特に評価課題になると一層力を入れて取り組む。そのため、グループでの評価課題などの際に意見をまったく言わないものは厄介者扱いされ、最悪の場合グループから外れてくれと言われる。実体験として、前期最後の評価課題の際、「何を考えているのかわからない。何も言わないなら組みたくない。」と言われたこともあった。こうならないためにも、話す力を磨いていくことはアルカラ大においては講義の内容を理解していることと同じ、もしくはそれ以上に大切なことのように感じた。

生活について

 大学の近くにはちょっとしたショッピングセンターがあり、その中にはスーパーマーケットや服屋などが入っており、生活するうえで最低限必要なものはそこに行けばそろった。また、マドリード中心部にも電車に乗れば40分足らずで到着する。講義が午前中で終わる日に買い物に出向いたり、気分的に落ち込んでしまった時などもウィンドウショッピングをして気晴らしをしたりしていた。空港にもアクセスが良く、電車で1時間足らずで到着するため、週末や休み期間を使って国内外問わず様々なところに出向いた。

留学で得たこと

 留学で学んだこと・得たことはあまりに多く、ここにすべて書くことは不可能なため、自分の中での一番の学びを書く。それは「伝えようとすること」と「分かろうとすること」の大切さである。スペインでは言わずもがなスペイン語が母語であり、公用語であるため、スペイン人にとっても日本人同様英語は外国語にあたる。そのため、互いに決して完全ではない言語を使って会話することが求められていた。その中で、母語ではない言語を使っているため、どうしても言いたいことがうまく言えないときや、またその理解に苦しむことがあった。しかし、そのような場合にそこで会話を終わらせてしまうのではなく、伝え手はボディランゲージやジェスチャーを使ったり、また聞き手は理解するために「たとえば?」「・・・ってこと?」など聞き返したりするなどして、なんとか互いに会話を成立させようとしていた。もちろん大変なことは言うまでもないが、それ故に意思疎通が図れた時の喜びは大きかったし、母語で話している時には決してない感覚を味わうことが出来た。この経験から、私は「伝えようとすること」と「分かろうとすること」の大切さを学んだように思う。というのも、日本にいると十分に言語を話せてしまうがゆえに、会話が成り立たないと自分を省みるというよりも、相手にその原因を求めている自分がいるような気がした。この学びは今後教員という立場で子供やその保護者、同僚・上司など様々な人と接していく私にとって非常に大切になってくるだろう。この学びを活かし、「分かって当たり前」「伝わって当たり前」ではなく、「どうして伝わらないのだろうか」「伝わるためにはどうすればいいのだろうか」を考えられる人間になっていきたい。

後輩へのアドバイス、信州大学へのメッセージ等

 留学に興味がある皆様、留学に行きたいのであれば勇気を出して是非いってみてほしいです。おそらく留学に行く前「どうして留学に行くの?」と聞かれ、戸惑い迷うことがあるかもしれません。個人的にはその動機は人それぞれでどんなものであっても良いと思いますし、それらを否定する権限はだれにもないと思います。ただ、留学は決して楽しいことばかりではないということは十分理解した上で留学するかどうか決めてほしいと思います。もちろん美男・美女と友達になれたり、クラブでお酒を飲み明かしたり、歴史的に有名な場所を訪れることが出来たりと華々しい留学のイメージに違わぬイベントがたくさん待っています。しかし、それらは約一年という長い時間の中ではほんの一部分にすぎず、留学前は想像もしていなかったような困難に直面する機会が多々あるでしょう。そうなった時に自分を支えてくれるのは何でしょうか。おそらく、どうして留学をしようと思ったのかという動機なのだと思います。自分自身留学中何度も落ち込み、本当にこの留学生活を終えることが出来るのかと不安になることがたくさんありました。しかし、どんな時でも自分がここに来た理由を思い出し、自分を鼓舞し、結果無事留学生活を終え、日本に帰ってくることが出来ました。長くなりましたが、つまり言いたいことは自分がどうして留学に行きたいのかということを明確にし、その気持ちを忘れず持ち続けることが重要であるということです。それさえあれば、留学は決して難しいものではないと思います。ぜひチャレンジしてみてください。