S

本当に幸せな一年間

短期留学

Sさん

人文学部 人文学科
留学種類:交換留学
留学期間:2016年 9月 ~ 2017年 6月
留学先:ベルギー カトリック大学ルーヴェン

留学先大学について

 ベルギーのオランダ語圏であるフラマン地方にあるルーヴェン大学は、世界的にも有名な15世紀から続く大学です。その長い歴史に相応しく歴史の感じられる建物がキャンパスとなっていることが多く、特に中央図書館はとても綺麗で観光客が図書館内を見学している姿を何度も見かけました。キャンパスは信州大学のように一か所にまとまってはいないため、業間には多くの学生がキャンパス移動のため町を歩き回っています。

 多くの学生はもちろんベルギー人ですが、正規学生として多くの学生がベルギー国外から来ています。もちろん交換留学生も非常に多く、そのため常に教室内には肌の色も喋る言葉も異なる、様々なバックグラウンドを持つ学生が見られました。

学習面について

 私は講義形式の授業を受講しました。

 学期を通して定期的にテストがあるかグループワークやプレゼンテーションを課せられる授業もあるようですが、私が受講したクラスでは期末試験または期末ペーパーを提出することで成績が決まりました。成績に影響する定期的な課題がないため、留学中はいかに授業へのモチベーションを維持するかが課題でした。授業で理解しきれない箇所は講義を録音したデータを毎業後に聞くことで各授業の内容の理解を深めていましたが、そのことや予備知識を蓄えるための自習で理解が深まったという実感とその喜びが私にとってのモチベーションとなりました。

 試験はひとつの問いに対し、用紙一枚かそれ以上の記述が求められるエッセイ形式の問題が多かったです。私が経験しなかったものには教授と一対一で話す口頭試験もあります。

 また語学学校で英語のコースを受講したり、自主的に毎日英語学習の課題を課したりすることで、今回の留学を決めた理由の大部分である語学の向上を図りました。

生活について

 住居は大学が提供する学生寮を借りるか、自身で契約する一般市場のアパートやコット(個人部屋があり、シャワーなどが共有のシェアハウス)に住むのが一般的でした。寮は光熱費や水道代込で3万円前後から探すことが出来ます。

 わたしは留学生向けの寮で一年間暮らしました。寮ではキッチンが共有だったため、朝食をとるときから夕食、夜のパーティまで他の学生と顔を合わせることが多く寂しさを感じることがあまりありませんでした。またそこは留学生向けの寮だったため、バーベキューやインターナショナルディナー、クリスマスパーティなどのイベントが多くさらに寮に住む学生との交流を多く持てました。それが嬉しかったですし、実際にそれが寮のいいところだと思います。加えて日常的に英会話をする環境にあったので、常に語学における向上心を維持することが出来ました。

 寮は町の中心にありました。買い物に便利である一方、大学のキャンパスから少しだけ離れていたり(といっても徒歩15分ほどですが)、朝晩の騒音がかなり気になったりすることがあったので、住居の選び方は快適な留学生活を送るために大きく関係すると痛感しました。

 多くの学生を抱えるルーヴェン大学では学生生活を充実させてくれるスポーツセンターや学習センターを提供しています。国際交流の場となる小さなカフェテリアのようなものがあり、学生がテーブルを囲み談笑する姿も見られました。学期の初めには数多くの遠足イベントや町内の観光イベントを企画してくれていますし、その後も色々な遠足のような企画が様々な団体によって運営されています。

 大学の外のことに関して言うと、ルーヴェンに限らずフラマン語圏に住む人は英語が上手です。学生はもちろん、スーパーのレジ打ちをするおばさんも、ベンチに座っていると話しかけてくるおじさんも英語が喋れます。なので英語が喋れればこの町で不便することはありません。

留学で得たこと

 まずは留学先でしか出会えない人に出会えたことです。今は日本にいても外国人と交流することは難しくなくなりました。ですが観光や留学、ビジネスで日本へ来る人は日本に興味があり、ポジティブなイメージを持っている人が多いと思います。ルーヴェンで出会った人はそういう人たちとは違います。だからこそ自分が日本国内に留まっていたら絶対に出会えなかった人たちですし、彼らに会えたことがとても幸せな出会いだと思えます。

 次に自分に少し自信を持てたことです。友人たちとはもちろん唯一の共通言語である英語で会話をします。最初は相手の言うことが分からない・自分の伝えたいことが言えないということで落ち込むこともありましたが、自分で試行錯誤することで最終的に多くの人と関わることが出来ました。私の未熟な英語でも私の言うことを相手はちゃんと聞いて理解してくれます。そのことがとても嬉しかったと同時に、母語じゃない言葉を使って自分でコミュニティを作れたという事実があり、それが自信に繋がりました。

 最後はヨーロッパの文化を感じられたことです。ヨーロッパは日本と全く違う文化を持っています。言語や余暇の過ごし方など、一言に「文化」と言っても私が気付いたものは実に多岐に渡ります。ほぼ一年間ヨーロッパに住むことで、季節ごとに新たな発見をすることが出来ました。もちろん旅行で訪れるだけでもいくつか見つけられると思いますが、やはりそこで生活をするとなるとさらに多くのことを深く知ることが出来ます。それらに気づくのが純粋に楽しいというのに加え、いま帰国して日本を見る目が少しですが変わったと思っています。

後輩へのアドバイス、信州大学へのメッセージ等

 現在ヨーロッパは不安定な状態にあるので、留学へ踏み切るには多くの心配事があると思います。でもそれは現在のヨーロッパをその目で見たことが無い人ほど深刻に考えてしまっていることではないかと思います。一度現在のヨーロッパを見てみると、気を緩めることは禁物であるものの、必要以上に怯えなくても大丈夫だということが分かるはずです。

 信州大学は「留学に行きたい」と思っていて行動に移す学生にはその機会を与えてくれます。学生時代を逃すと留学に限らず大きな挑戦をし辛いでしょうし、やりたかったことを出来ないままにしておくというのは、今後心残りとなってしまうのではないでしょうか。ご家族や身内の方からの反対や金銭面の問題など、留学するまでの障壁が大きいという方もいるかと思いますが、諦めないで留学のチャンスを掴んでください。