宮田 遥

意義ある寄り道 

短期留学

宮田 遥さん

人文学部 人文学科
留学種類:交換留学
留学期間:2015年9月~2016年7月
留学先:オランダ ゾイド大学

留学先大学について

ゾイド大学はオランダの南端、ドイツとベルギーとの国境にほど近いマーストリヒトという町に位置します。Universityの名は冠するものの厳密には職業訓練校のようなものであるため、将来EUに関わる機関で働きたいと具体的に考える生徒が多く集まっています。施設やカリキュラムの面で予想と違うことは多々あり、例えば、アメリカのような広いキャンパスや一風変わった面白い講義などはありません。しかし基礎知識を広く徹底的にカバーした履修や、固定クラスゆえのクラスメイトとの交流は、他にはないZuydならではの魅力であったと思います。

職員の方々や学生たちは留学生に対しよく気を遣ってくれ、学校生活で不自由を感じる場面にはほとんど遭遇しませんでした。特に大学の日本語学科の生徒たちは非常に優秀で、学習や生活面でよく助けてもらいましたし、積極的に企画を持ち寄って交流を行いました。

学習面について

前で軽く触れたように、Zuydでは欧州連合についてのあらゆる学問を基礎から学んでいきます。政治に始まり、法律、経済学、マーケティングに至るまで、日本にいたときは全く関わり合いのない学習をひたすらこなしました。多くの授業は週のうちに講義とワークショップがセットで行われます。ワークショップでは主に発表者のプレゼンに対して議論を広げていく形式でしたが、欧州の学生の政治ごとへの関心と理解の深さには圧倒されてばかりで、EUの勉強と言いながらもその実日本のことを顧みるきっかけともなりました。もちろん英語のみを学ぶ授業もあり、オランダ人とのクラスは将来ビジネス面で使えることを目標にした内容に、日本人だけのクラスは簡単なゲーム等を通してオランダの文化について学ぶ内容となっていました。オランダ語も一通り勉強したのですが、なかなか会話で必要とする場面が少なかったため、あくまで予備知識の範囲にとどまってしまいました。

生活について

私は学校の敷地内にある寮で一年間過ごしました。当初は他の留学生がいたものの、学期の終了に伴い出て行ってしまったため、最終的には日本人のみの共同生活でした。一人部屋でしたがキッチンなどで他の寮生と過ごす機会も多かったです。平日の授業終わりや休日には徒歩20分ほどの中心地へ出かけて買い物を楽しみました。マーストリヒトは規模としては松本市よりすこし小さいくらいの町でしたが、オランダ人は英語が達者なこともあってか差別のようなものはこれといってなく、皆優しく接してくれていたのが嬉しかったです。公的な手続きもはやく、(たまにドラッグの香りはしますが)治安も良く、住居環境としてはかなり優れていた方だと思います。

長期休暇にはもちろんヨーロッパの醍醐味、格安航空やバスなどを利用してあちこちの国に旅行に出かけました。テロが世を騒がせていたので多少の緊張感はありましたが、常に身の回りに気を配っていたので危険に身を晒されることはなかったです。

留学で得たこと

本質から大きく変わったということはありません。しかし少なからず価値観を広げてくれる細々とした影響は受けました。留学中、分からないことや不満に思ったことはすぐに声に出すようになりました。一言の主張で融通が利く文化や、それがまかりとおる海外の適当さ(よく言えば余裕)を知ってしまうと、あれこれと考えすぎて思考や行動が制限されてしまうことは勿体ないと感じました。また陸続きの大陸に暮らす者の一人として、国同士の関係性というものを今までより大きな視点で考えるようになりました。今まで薄っぺらにしか知らなかったヨーロッパのことを気候から文化から人から理解して、沢山の魅力を知りました。そうは言っても日本人であり日本に住む私は、いつまでも他と比較して羨むばかりでなく、自国ならではの良さを再認識したうえで折り合いをつけていくことが大切であると思っています。

後輩へのアドバイス

<留学は気になるけど怖くて無理だと諦めているあなたへ>

行ってみると案外何とでもなるというのが正直な感想です。もし最低限の応募基準を満たせているのであれば、語学や専門の勉強だ、己の成長だなんだと肩肘張らず、貴重な経験を味わえるチャンスとして一歩踏み出してみませんか。交換留学に限らず、ボランティア教師や短期プログラムなど、何かしらの形で一度外の世界と関わるのもいいと思います。海外での生活を通してだけでなく、社会の流れから切り離される期間は、色々なことを深く考えてみるきっかけになるはずです。

<絶対に留学へ行くぞ!と決めているあなたへ>

散々言われていることですが、着いてから帰国まではあっという間です。勉強していても遊んでいても何もしなくても、とにかく時間だけは驚くほど速く過ぎていきます。機会が与えられるのを待つだけでなく、自らアンテナを張って色々なことに挑戦しておけば「あれもやっておけばよかった」という後悔が減ると思います。また授業や課題において「日本人だから仕方ない」と諦め、やる気を無くしている留学生を何人か見ましたが、大変勿体ないと感じました。周りをあっと言わせてやるぐらいの気持ちでぜひ頑張ってください。