信州大学HOME

院生の声

  1. ホーム
  2. 入試案内
  3. 院生の声

院生の声1 中村隼明さん

09年11月11日

中村隼明 (なかむらよしあき)

生物・食料科学

何を研究してますか?

私は発生工学的手法を用いた鳥類の保存・再生法の開発に取り組んでいます。精子・卵の前駆細胞である始原生殖細胞(PGCs)に着目し、その移動様式を解明しました。

また、胚からPGCsと生体の双方を同時に保存する方法を開発し、天然記念物に指定された日本鶏の保存・再生に成功しました。

さらに、宿主のPGCsをドナー由来のPGCsに完全に置換する方法を開発し、肉用鶏の精子・卵のみを生産する卵用鶏の作出に成功しました。これらの研究は非常に高い評価を得、日本家禽学会、日本繁殖生物学会ならびに日本畜産学会より優秀発表賞を授与されました。

将来の展望は?

現在、ニワトリの遺伝資源は主に生体として保存されています。PGCsを超低温下で長期保存することにより、高病原性鳥インフルエンザ等の感染症のリスクを回避できるうえ、運営コストが大幅に削減されることが期待されます。

また、銘柄鶏等の産業有用品種や日本鶏等の希少品種、遺伝子改変ニワトリの効率的な生産が可能になります。現在、ニワトリに種の異なる鳥類の精子・卵を生産させる技術の開発に取り組んでいます。いつか「ニワトリがトキを産む」日が来るかもしれません。

最新の院生の声一覧へ