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化学・材料学科 杉本 渉 教授が燃料電池の白金触媒使用量を激減させる技術を開発

2016.12.20


化学・材料学科の杉本 渉 教授 (材料化学) らは、燃料電池の白金触媒の高活性化と高耐久化を実現する「コアシェルナノシート触媒」の開発に成功しました。白金は非常に高価なことから燃料電池の普及を妨げる大きな要因になっていますが、杉本 教授が開発した新技術によって産業界が目標とする "白金触媒の使用量を現在の10分の1以下に減らすこと" が可能となり、燃料電池車などの普及拡大につながると期待されます。

関係論文が12月10日に触媒専門誌 Journal of Catalysisオンライン版に掲載されたのを機に、プレス発表が行われました (12月19日: 報道機関に配布した資料は こちら をご覧ください)。白金の使用量削減による燃料電池製造の価格引き下げが産業界の大きな課題になっています。杉本教授によると、通常の触媒は白金の原子が集まった球体のような形をしており、内側の原子は水素や酸素に触れないため、触媒として機能できませんでした。いわば白金が "無駄" に使われていたわけです。今回の技術開発は、「白金族」原子のルテニウムでシートを作り、シートの両面を白金原子で覆う、というものです。このことですべての白金が機能するようになり、例えば、酸素還元反応に対して4~5倍の活性と2倍の耐久性を示します。杉本教授は「さらなる構造や組成の最適化を通した性能向上と、量産可能な簡便な合成を検討することで、実用に近づく展開が期待される」と話しました。


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