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千葉 耀太さん(M1)が3つの学会・シンポジウムで優秀ポスター賞を受賞

2021.07.20


大学院総合理工学研究科 繊維学専攻 化学・材料分野 機能高分子学ユニット 修士課程 1年の千葉 耀太さん (高坂 泰弘 研究室) が、以下の3つの学会・シンポジウムで優秀ポスター賞を受賞しました。各学会では千葉さんが開発した循環型ビニルポリマーについて、参加者の関心に合わせて異なる観点で発表をしましたが、いずれの学会でも高い評価を受け、今回の受賞に至りました。


研究全体の概要: ビニルポリマーは大量生産可能なプラスチックである反面、化石資源を原料とするため、持続可能性の確保が課題になっています。高坂研究室では2019年に、原料物質への再生が可能な循環型ビニルポリマーを世界で初めて報告しました。今回の研究では、より簡単な化学処理により原料を再生するビニルポリマーを開発しました。具体的には、3-メチレンフタリドの単独重合体を水酸化ナトリウムでけん化すると、モノマー原料を循環できることを見出しました。本技術では分子レベルでのリサイクルが成立するため、品質劣化のない高品質なプラスチックを再生できます。


■ 第70回高分子学会年次大会 

5月26日(水)~28日(金)にオンラインで開催された第70回高分子学会年次大会で、優秀ポスター賞を受賞しました。この賞は年次大会において優秀なポスター発表を行った学生会員に授与されます。本会では697件の発表に対し、54件が受賞対象になりました。
発表題目: 「スチレンとビニルエステルの骨格を併せ持つ循環型ビニルモノマー」 発表内容:3-メチレンフタリドの単独重合体が、けん化によりモノマー原料に分解することを初めて報告しました。発表は高分子合成のセッションで行い、モノマーおよびポリマーの構造から、分解反応のメカニズムや、循環型モノマー設計の指針について議論しました。
受賞者一覧はこちら https://main.spsj.or.jp/nenkai/70nenkai/posteraward.pdf


■ 第10回JACI/GSCシンポジウム
6月28日(月)~29日(火)にオンラインで開催された第10回JACI/GSCシンポジウムで、GSCポスター賞を受賞しました。この賞は優秀なポスター発表を行った者に授与され、161件の発表に対し、19件が受賞対象になりました。
発表題目: 「ケミカルリサイクル可能なポリスチレン誘導体の合成と分解」 発表内容: 3-メチレンフタリドのラジカル重合による循環型ポリマーについて、合成法やコスト、ポリマーの溶解性と熱物性、原料再生の加速方法など、材料としての応用を見据えた観点で議論しました。

受賞者一覧はこちら http://jaci.or.jp/gscn/page_03_03.html


■ 2021年繊維学会年次大会
詳細はこちらからご覧いただけます。


千葉さんのコメント: それぞれ異なる領域の専門家のみなさまから今回の発見をご評価いただいたこと、非常にうれしく感じます。 偶然の発見を偶然のまま終わらせず、さらなる成果へつなげていけるよう、これからも研究へ励んでいきます。

指導教員・高坂先生のコメント: 本研究はコロナ禍での船出だったうえ、実験が難航し、成果のない日々が10ヶ月近く続きました。 千葉君は努力と探究心で苦境を乗り越え、予想外の発見に至りました。それだけに、さまざまな視点から高い評価を賜り、嬉しく思います。

 


※本研究に関するお問い合わせは化学・材料学科高坂 泰弘 准教授(kohsaka@shinshu-u.ac.jp)までお願い致します

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