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研究内容

一般の病院にはない、大学医学部附属病院の大きな特色は研究です。従来の治療法に限界を感じたとき、これを打破することが出来るのは唯一研究しかありません。世界的にスタンダードな教科書、up-to-dateな論文を読むことは大変重要なことです。しかしながら、大学で働く大学人はそのような教科書や論文を読む受信者だけではなく、それを送り出す発信者になることが出来るのです。これは大学人の使命であり義務でもあります。

若いうちから世界のトップレベルの研究室に留学できる、というのも当科の大きな特徴です。ありきたりな言い方ですが、学問には国境がなく、仕事を通してどこにでも行くことができます。海外に留学し、海外の研究者たちとディスカッションし、研究成果を発表することにより大きな自信と達成感が得られます。終生の師や友人を得ることがあるかもしれません。海外での留学生活は必ずや人生の財産となるでしょう。ぜひ当科に入局して海外に羽ばたいてください。

脂溶性ホルモン、ビタミンによる抗老化作用の臨床応用

甲状腺ホルモンやビタミンAは核受容体に結合し、そのホルモン作用を発揮することが知られています。古くから、甲状腺ホルモンや脂溶性ビタミンは若返りの薬として研究対象にされてきました。また、ビタミンAには抗癌作用があります。ところが、副作用が多く、一部の限られた疾患以外、現行では使用できません。
当教室では、細胞質に存在する甲状腺ホルモンに特異的に結合する蛋白(CRYM)の欠損マウスを確立し、この蛋白の役割を研究しています。また、ビタミンAで誘導されるRARP1という蛋白を発見し、この欠損マウスを構築、現在その表現型につき検討しています。甲状腺ホルモンの抗老化作用をCRYMの特性を生かし、また、ビタミンAで誘導される抗癌効果を利用し、最終的には新しいホルモン作用を利用した健康長寿に繋がる創薬が出来たらと考え研究しています。

 

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カーボンナノチューブと組換えアデノウイルスによる高効率遺伝子導入法の開発と 応用

分子生物学を研究する上で、細胞に目的遺伝子を導入する技術は非常に根本的なもので、この技術が開発され改良されてきたことが今日の分子生物学の発展を築いたと言っても過言ではありません。その遺伝子導入法の1つである組換えアデノウイルスを用いる方法は、効率の高い方法として広く知られていますが、これを用いても導入効率の低い細胞が数多く存在します。
私達はアデノウイルスを炭素原子が規則的に配列したカーボンナノチューブで前処理すると、飛躍的に導入効率が上昇することを見出しました。そのメカニズムを解明し、新たな高効率遺伝子導入法を確立することを研究の第1の目標としています。第2に、この技術を様々に応用して臨床に役立てることを模索しています。主に癌に対する遺伝子治療に応用し、より効果的かつ安全な新規癌治療法の開発を目指す研究を行っています。

 

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エストロゲンによる自己免疫性内分泌疾患の制御

グルココルチコイドのみならず、多くのホルモンが免疫系に影響することが分かっています。その中でもわれわれはエストロゲンに注目しています。多発性硬化症や関節リウマチなどの自己免疫疾患において、エストロゲンはその活動性を低下させることが知られています。内分泌領域の自己免疫疾患においても同様の現象があります。例えば、バセドウ病では血中エストロゲンが高くなる妊娠時にTSH受容体抗体価が低下しその活動性が弱まります。このように、自己免疫のプロセスにもエストロゲンが深く関わっています。
われわれは、自己免疫疾患の発症・進展において重要な役割を持つ制御性T細胞に着目し、バセドウ病や橋本病、1型糖尿病などの様々な自己免疫性内分泌疾患におけるその発現や機能を解析するのみならず、エストロゲンを介して制御性T細胞の機能をコントロールすることによる新たな治療法の開発を目指しています。


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