教員紹介

いとう つくす

伊藤 尽

英米言語文化 教授

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ことば・言葉・言語 学会 研究

第81回日本英文学会

先週の土曜日・日曜日(5月30・31日)に、東京の東京大学駒場キャンパスにおいて、
第81回 日本英文学会全国大会が開催されました。

そこで二日目に、以前、信州大学人文学部で英語学ゼミを担当されていらした橋本功先生を含め、
Richard Ingham博士(マンチェスター・シティー大学)、小塚良孝先生(愛知教育大)と私での
「英語史に於ける外国語の影響について(Symposium: Foreign Language Influences in the History of English)を、大門正幸教授をchairとして開きました。

前日の打ち合わせの時に実際に顔を合わせて6時間近く読み合わせや意見交換を行いまして、
大変有意義なシンポジウムとなりました。

最初の発表は小塚先生による「ラテン語」の影響。もちろん、中世ラテン語の影響を考えるわけですが
リンディスファーン福音書とラシュワース福音書に於ける行間註釈に、ラテン語から古英語に翻訳する際、ラテン語の文法の影響が見られるという、非常に具体的で情報に溢れた内容でした。

私はといえば、いつものように古英語話者と古北欧語話者の意思疎通を引き合いに出しながら、古北欧語が英語に与えた影響を、特に語順の面をも考慮に入れながら示そうと思いました。

次には、Richard Inghamの発表ですが、ここに、英語史では通常常識とされている事柄、またインターネット上でも広まっている考え方を、真っ向から批判するという、これからの「英語史の教科書」には必ず入れなければならない「より正しい情報」をふんだんに盛り込まれました。これについては、近々出版されるIngaham博士の御著書を楽しみに待つことと致しましょう。

そしてトリは、橋本教授。英語におけるヘブライ語からの影響が、どのように聖書翻訳に見られるのかをグラフを用いてわかりやすく説明して下さいました。

発表後の質疑応答も、時間が足りなくなるほど質問がなされ、大いに会場が沸きました。

その後、渋谷のイタリアンレストラン遅い昼食を食べ、そこでは信大の英語学ゼミの卒業生も参加して、様々な話題に花を咲かせました。

それにしても広い話題を一堂に会したシンポジウムを切り盛りなさった大門先生の手腕の見事さは、さすがでして、今後もこのような英語史のシンポジウムをいろいろと主催なさるであろうことは想像に難くありません。

とはいえ、シンポジウムの原稿を書いていた時、私はぎっくり腰になってしまい、椅子に座ることもできなくなってしまいまして、いろいろと難儀致しました。
まだ疲れがとれておりませんが、なんとか今日明日には復活したいな、と思っておりまする。

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