教員紹介

はやさか としひろ

早坂 俊廣

哲学・芸術論 教授

教員 BLOG

一覧を見る
中国関係

杭州師範大学倉前新キャンパス

倉前キャンパス(現時点での)正門横

3月7日から19日まで、杭州師範大学を訪問いたしました。2011年のサバティカルの際に訪れた「下沙キャンパス」ではなく、新しく出来た「倉前キャンパス」です。新キャンパスは、現在3分の1強が完成し、文系だけ移転しているとのことです。昨年9月に訪れた際は、同キャンパスの「国学院」だけしか見ることができませんでしたが、今回は、2週間近く滞在し、中国の大学の様子を改めて体感することができました。私が居た時期は、春節休みが終わって、ちょうど新学期が始まったばかりの頃でした。中国でも「春節に日本に来て、温水便座とか炊飯器とかを爆買いした中国人旅行客」は話題になっていたらしく、知り合いの中国人は「あれ、ほとんど杭州の工場で作っているんだぜ」と苦笑していました。

趣あるキャンパスです

杭州市余杭区倉前鎮については、かつてこのブログで言及したことがあります。2011年9月4日「杭州便りその10」の、「章太炎故居」を訪問したことを述べた記事がそれです。そこで、こう書きました。 ―杭州師範大学は、杭州市の東端にある「下沙」という経済開発区に大きなキャンパスを抱えているのですが、そこが不便だということで、西端の倉前鎮に何年かかけて移転する予定とのことです(やはりキャンパスを売り払って)。章炳麟とは何の関係もありませんが、中国の大学はやることが派手だなあと痛感した一日でした。―   昨年9月に訪問してみて、景観のど派手な変化を感じましたが、その時と比較してみても、この近辺は、さらに恐ろしいほど急速に街並みが変わりつつあります。

加油!

街の様子については、別途紹介したいと思いますが、とにかく、あらゆるものが「建設中」、至る所が「工事現場」でして、散歩しながら、ついつい「町ができる 美しい町が~」と口ずさんでしまいました。先ほど確認しましたところ、「虹と雪のバラード」という題名ですね(若い人は知らないと思いますが、札幌オリンピックのテーマソングです)。 「工事現場」というと殺伐とした印象を持ちがちですが、中国の場合(というか、中国語を学んでいる人間から見た場合)、あちこちに「標語」が掲げられていて、大変、勉強になります。今回一番「しゃれてるなあ」と思ったのは、次回訪問した時には新校舎になっているだろう建物に掲げられていた「寒霜偏打无根草 事故专找懒惰人」という標語でした。 「无」=「無」、「专」=「専」、「找」は「探す」という意味だということが分かれば、意味は何となく通じるのではないでしょうか。

どうやら話が通じたようです

訪問中、中国の学生さんの前で3回話をする機会をいただきました。「公開講座」的な扱いの回は「日本人眼中的浙江」、それ以外は、中国の先生の授業のなかで「日本人眼中的儒学」というテーマで話をしました。前者は「仏教や美術品を通して見た日中交流史@浙江」とでもいった内容、後者は赤穂浪士の討ち入りをめぐる儒学者たちの議論を中心にした内容でしたが、どちらも事前に用意したパワーポイントをプロジェクターで投影して話をすることができました(その辺りの設備は、日本の国立大学より立派だと感じました)。学生さんは非常に熱心に聞いてくださり、多くの質問を述べてくれました。   ・・・と書くと、ずいぶん格好いいことをしたように思われそうですが、原稿はすべて有能な中国の若手教員が翻訳してくださり(ピンイン付きの原稿まで用意してくださり)、会場にはその教員以外にも、日本語が上手な教員が来て、通訳や補足説明をしてくださったため、何の問題もなく終えることができました。要するに、私は「学芸会の発表」をしただけでして、行き届いたお膳立てをしてくださった杭州師範大学の先生方に衷心より感謝申し上げます。

トップページ 教員紹介 早坂 俊廣 ブログ 杭州師範大学倉前新キャンパス

ページの先頭へもどる