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イベント・公開講座詳細

イベント・公開講座

平成28年度「科学技術政策特論」(全7回)一般公開

16年09月21日

総合工学系研究科科目「科学技術政策特論」(大学院共通科目)を、以下のとおり開講(一般公開)します。

◆開講(一般公開)日時:平成28年10月4日(火)~11月15日(火)の毎週火曜日

3時限目(13時00分~14時30分)及び4時限目(14時40分~16時10分)

 

◆講義場所:

主会場(講師登壇会場): 信州大学工学部キャンパス講義棟(C3*)201 番教室

SUNS (双方向映像)配信

松本キャンパス 全学教育機構(23*)211 演習室

上田キャンパス D2講義棟(5*)3階32 番講義室

長野(教育)キャンパス 教育図書(6*)2 階視聴覚室

伊那キャンパス講義棟(2*)1階 16 番講義室

(10月25日のみ農学部SUNS会議(3* 農学部図書館の隣))

※上記C3*、23*、5*、 6*、2*は、各キャンパスマップにおける該当建物の番号です

 

第1回 10月4日(火) 「科学技術と社会」

(講師)
▼池内 了氏(名古屋大学名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授)

 ・科学技術はそれ自体専門化・細分化・複雑化しながら、現代社会を支えてきました。一方、現代社会は、科学技術の影響を強く受けて変化の度合いを深めながら科学技術の発展に影響を与えています。科学技術と現代社会が相互に影響し合う中、科学的判断のみでは解決が得られず、社会との意見の交換が不可欠な問題(トランス・サイエンス問題)も多々発生してきています。

 「科学技術政策特論」第1回では、この科学技術と現代社会との関係性を広く深く掘り下げた「科学・技術と現代社会」(2014年:みすず書房)の著者である、池内名古屋大学名誉教授・総合研究大学院大学名誉教授に、科学技術と現代社会にまつわる問題や社会の持続的発展に向けた科学技術のあり方についてご講義いただきます。



第2回 10月11日(火) 「地域振興と科学技術」

(講師)
▼寺崎 智宏氏(文部科学省科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課 地域支援企画官)

▼西川 裕氏(長野県産業労働部産業政策課 課長補佐)

 ・現在、日本経済の活性化に向け、大学発ベンチャーの役割が見直されつつあるとともに、地域の持つ強みを生かしつつ、新産業の創出を図る「地域科学技術イノベーション」が注目されています。

 第2回では、(株)産業革新機構にて大学発ベンチャー投資を担当され、現在文部科学省において地域科学技術イノベーションを推進されている寺崎企画官から、産学官連携施策の歴史や文部科学省における各種の施策についてご講義いただくとともに、長野県において産業政策を推進されている西川補佐から、「長野県科学技術振興指針」や「長野県ものづくり産業振興戦略プラン」をはじめとする、長野県における科学技術を活用した地域課題の解決や成長産業創出に向けた各種の施策についてご講義いただきます。

第3回 10月18日(火) 「海外科学技術情勢」(ドイツ・ロシア・インド)

(講師)
▼澤田 朋子氏(ドイツ)

▼津田 憂子氏(ロシア)

▼樋口 壮人氏(インド)(※三氏とも 科学技術振興機構 研究開発戦略センター フェロー)

 ・海外の科学技術事情については、近年日本との協力機運が再び盛り上がっていますが、 その中でも特にIndustrie4.0でIoTによる産業の再編の先陣を切っているドイツ、旧ソ連の科学技術遺産を継承しつつ資源依存型経済からの脱却を模索しているロシア、近年非常に興隆しているが科学技術に関する情報の少ないインドに焦点を当てて、これら諸国の科学技術動向の調査・分析を行っている国立研究開発法人科学技術振興機構研究開発戦略センター海外動向ユニットの澤田フェロー、津田フェロー、樋口フェローに最新の動向を紹介していただきます(ロシアの箇所では、北極政策と研究状況についても紹介します)。


第4回 10月25日(火) 「大学発製品開発の実例と特許戦略」

(講師)
▼松澤 恒友(信州大学工学部特任教授)

▼大井 美知男(信州大学工学部特任教授)

▼篠塚 由紀氏(株式会社信州TLO 技術移転グループ)

 ・現在、大学と企業が連携し、大学の研究成果を製品開発という形で実用化/社会実装する活動が活発に行われています。

 第4回では、この大学発製品開発の概況・実際について、高品質市田柿製造最適機械乾燥法やポリフェノール含有赤色リンゴジャムを開発された松澤教授、夏秋イチゴ「信大BS8-9」を開発された大井教授から実例に即したご講義をいただきます。

 また、大学の研究成果の実用化に際しては、特許等知的財産の確保も重要です。

 信州大学発の技術シーズの発掘・評価や特許取得・権利化支援を行う(株)信州TLOの篠塚氏から、信州大学を含む大学発知財の状況や課題等についてご講義いただきます。


第5回 11月1日(火) 「科学技術政策の展開と今後の方向」

(講師)
▼永野 博氏(慶應義塾大学理工学部訪問教授、研究・イノベーション学会 会長、米国科学振興協会(AAAS)フェロー、経済開発協力機構(OECD)グローバル・サイエンス・フォーラム(GSF)議長)

 ・我が国では科学技術基本計画が策定されてから20年が経過し、本年度からは内閣府総合科学技術・イノベーション会議の主導の下、第5期科学技術基本計画(平成28~32年度)が始まっています。他方、世界主要国でも、科学技術イノベーション推進に向けた動きが官民でなされているところです。

 第5回では、文部科学省において国際戦略を含む科学技術政策に長年従事され、現在は研究・イノベーション学会会長、OECDグローバル・サイエンス・フォーラム(GSF)議長、米国科学振興協会(AAAS)フェローとして、内外の科学技術政策に通暁しておられる永野慶応義塾大学教授に、日本及び世界主要国の科学技術政策のこれまでの展開と今後の方向についてご講義いただきます。



第6回 11月8日(火) 「イノベーションを生み出す発想」

(講師)
▼権 奇哲氏(東北大学大学院経済学研究科教授、同研究科RIRC総括プロデューサー)

▼金井 毅氏(株式会社電通 ビジネスクリエーションセンター エグゼクティブ・ディレクター)

 ・イノベーションによる新産業・新事業創出は産官学連携の最重要課題です。第6回は、このイノベーションを生み出す「発想」に関する講義です。

 東北大学で地域イノベーション創出活動を推進されている権教授からは、これまでの技術中心発想やユーザー中心発想とは異なる、デザインの新定義に基づく「経験デザイン」(生活世界にとって価値ある新しい経験・意味を提案する)発想、およびそれを実行する方法としての「原型思考」を中心に、新製品や新事業のアイデアを探索する実践的な考え方についてご講義いただきます。

 信州大学において「信大×電通 果皮蜜プロジェクト」を推進し、震災による風評被害への対策や地域の製品の販路開拓にも尽力されている金井エグゼクティブ・ディレクターからは、「売れるものづくり」を実現するための「技術×マーケティング発想」や日常生活における留意点についてご講義いただきます。


第7回 11月15日(水) 「理工系人材のキャリアパス」

(講師)
▼小林 淑恵氏(文部科学省科学技術・学術政策研究所 第1調査研究グループ 上席研究官)

▼槇島 聡(信州大学客員教授)

 ・博士人材をはじめとする理工系人材は、科学技術イノベーションによる社会の発展・高度化に不可欠の人材で、その育成・充実が望まれています。しかしながら、特に博士人材においてキャリアパスの不透明さ、雇用の不安定さが指摘されています。第7回はこの博士人材をはじめとする理工系人材のキャリアパスに関する講義です。

 まず文部科学省科学技術・学術政策研究所第1調査研究グループにおいて博士人材をはじめとする理工系人材のキャリアパスの「見える化」に取り組まれている小林淑恵上席研究官より、2012年度に博士課程を修了した者の内、約5,000人のその後のキャリアを追った「第1回 博士人材追跡調査」や、「理工系修士学生の進路決定に関する意識調査」等についてご講義いただきます。

 ついで、本学出身で、東芝を経て博士号を取得し、現在本学客員教授を勤めておられます槇島教授に、ご自身の経験を踏まえられた理工系人材のキャリアパスに関する具体的なご講義をいただきます。磁気浮上式鉄道、固体絶縁スイッチギヤ、水熱反応技術の開発が氏の主要なキャリアです。

 理工系人材の進路にご関心ある学生、教職員、市民の聴講をお待ちしています。

科学技術政策特論 一般公開チラシ(PDF:172KB)