有限責任監査法人トーマツ/パートナー/信越事務所長 兼 サステナビリティ保証推進部
小口 誠司
私のサステナビリティの原点は、故郷である信州・上諏訪の諏訪湖に現れる御神渡りです。厳冬期、結氷した湖面が昼夜の寒暖差で隆起し、せり上がった氷が湖を横断する道筋のように連なる現象で、約600年にわたり記録が残されてきました。その御神渡りが、近年は姿を見せなくなっています。地球温暖化がふるさとの風景を静かに変えている---。会計士としてサステナビリティ情報を見つめるとき、いつもこの光景が胸にあります。サステナビリティは、環境の問題であると同時に、社会と経済のあり方そのものを問い直すテーマです。一つの専門領域だけでは答えは出ません。自然・社会・人間の関係を点ではなく面で捉え再設計する力こそ、これからの時代に求められます。学環で学ぶ皆さんには、地域の現場に立ち、問いを立て、試し、価値を創る「4つのシコウ」を存分に往還してほしい。信州から、世界の持続可能性を描き直す挑戦を、心から応援しています。