近年,ロボットが著しい進化を遂げており,今後もその進化は継続していくであろうと予想されています.そして,そういったロボットの進化に関するキーワードの1つとしてロボットの「自律性」を挙げることができます.「自律」とはすなわち知能情報システムの究極の機能であり,外的に規定・司令されずに自ら行動する能力のことです.「情報の意味理解」,「重要性認識」,「目的・意図の創発・理解」,「自己言及・評価・修復」などを全て併せ持ち,自らすべきことを決め,自らを律しながら行動することができて初めてロボットは真に人間にとってストレスなく助けてくれる社会的なパートナーになることができると考えております.私は,これまで主に「UAV (Unmanned Aerial Vehicle)」という空中ロボットの「自律制御」に関する研究を行ってきており,様々な種類のUAVの自律制御に成功を収めてきました.そして現在では,過去の研究を発展させることによって,人間が指示を与えることなく全ての任務を自らが考えて行う「自律ロボットシステム」を実現することを目標としています.具体的には,地上ロボットと空中ロボットが協調してエリア内の情報収集活動を行う協調制御システムについて研究を行っています.市販のラジコンヘリコプタやラジコンカーにセンサやコンピュータを搭載して,それらを「自律ロボット化」し,ロボット化されたビークルを用いた協調制御の方法論の確立を目指して,日々研究を行っております.