若手研究者紹介

プロフィール

飯塚 浩二郎
Kojiro IIZUKA

研究分野:
ロボティクス, 宇宙ロボット, 制御工学, 機械設計学, スポーツ工学
キーワード:
月惑星探査ローバ, テラメカニクス
連絡先:
〒386-8567 長野県上田市常田3-15-1
信州大学繊維学部
E-mail: iizuka[at-mark]shinshu-u.ac.jp
URL:
http://www.nexyzbb.ne.jp/〜cozzy-i/



職歴:
1999.4〜2003.5:
セイコーエプソン株式会社 情報画像事業本部

2006.4〜2007.3:
中央大学理工学部電気電子情報通信工学科 教育技術員

2007.4〜2008.7:
中央大学理工学部電気電子情報通信工学科 助教

2008.8〜現在に至
信州大学ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点 助教


学歴:
1997.3:
国立大学法人 東京農工大学工学部機械システム工学科 卒業

1999.3:
国立大学法人 東京農工大学大学院工学研究科機械システム工学専攻 修了

2006.3:
国立大学法人 総合研究大学院大学物理科学研究科宇宙科学専攻博士後期課程 修了


受賞歴、
助成金取得歴:
  1. 平成17年度総合研究大学院大学学術研究活動支援助成金 
  2. 平成18年度財団法人宇宙科学振興会 国際学会出席旅費支援

主な論文・解説:
  1. K.Iizuka, Y.Sato, Y.Kuroda, T.Kubota, “Experimental Study for Rover Mobility on Lunar Simulant Terrain in Vacuum Condition,” Journal of Asian Electric Vehicles, Vol.4, No.1, pp.857-860, 2006
  2. 飯塚, 佐藤, 黒田, 久保田, “月惑星探査ローバの車輪形状を考慮した走行性能検討”, 日本機械学会論文集, 72巻, 724号, C編, 2006
  3. 飯塚, 國井, 久保田, “弾性特性を考慮した軟弱砂地盤走行のための月面探査車輪型ロボットの車輪形状検討”, 日本機械学会論文集 , 74巻748号C編, 2008

国内特許:
  1. 4032336, チューブポンプおよびこれを用いたインクジェット式記録装置
  2. 3896773, インクジェット式記録装置
  3. 3812809, インクジェット式記録装置
  4. 3855692, 傾斜対応型シリアルプリンタおよび乗り物搭載用シリアルプリンタ
  5. 3671974, 液体噴射装置

国際特許:
  1. 6578949, Ink jet recording device and method of driving and controlling the same
  2. 6595616, Ink jet type recording apparatus
  3. 6966624, Liquid spraying device
  4. 20020036671, Ink jet recording device and method of driving and controlling the Same
  5. 20020063748, Ink jet type recording apparatus

研究紹介

 私は, 月惑星探査ロボットの走行系について研究を行っております. 地上のように整備された路面と違い, 砂, 段差, 曲率をもった地面などの接触状態を推測するのは非常に難しいため, 地盤との相互作用を物理的に考え, どのような特性で走行するのが有効なのかを走行ロボットを用いて検討しております. 軟弱地盤上では,摩擦力を主とした推進力として簡単に考えることはできないため, 繊細な地盤上を有効に走行する手段として, 走行系の形状検討や制御により検討を行ってきました. 走行系の形状検討では, 従来から用いられている円形状の車輪が走行悪化を招く原因を解析し, 有効な走行系に導出する基礎データとして用いております. また, ロボットは非線形である路面を走行することから, 柔軟に対応できる車輪が要求されます.  そこで, 本研究では柔軟材料を利用して車輪の製作をし, 常時有効な応力分布を維持できる弾性車輪を開発することに成功しました. 現在は, 回転制御(トラクションコントロール)へと発展させた研究をしております. 月面探査ロボットにおけるトラクションコントロールでは, 軟弱地盤走行中にスリップ率を観測し, スリップ率が上昇した際に速度を低減させてスリップ率を抑えます. また, 初期動作時に発生する大きなスリップ現象についても着目し, 走行系がスタック状態に陥ってしまう前にスリップを引き起こさないように制御することも検討しています. これらの研究は, 現在, 現在宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同研究しております.

今後の抱負

 いままでの自分の研究は, 不整地の中でも砂という設定のものでした。そこで, 今後は, 段差, 泥, 瓦礫などといった走行も考え, さらに, 長野という良い立地条件も利用し、雪上走行の研究にも着手していきたいと思っております。