2001年4月:
独立行政法人 食品総合研究所 開放的融合研究プロジェクト 特別研究員
2003年4月:
独立行政法人 食品総合研究所『リボゾーム工学』プロジェクト 特別研究員
2004年7月:
独立行政法人 食品総合研究所 (18年組織改編により農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所に名称変更)
産学官共同研究プロジェクト 特別研究員
2007年4月:
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 食品総合研究所 特別研究員
2007年11月:
国立大学法人 信州大学大学院総合工学系研究科 ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点 特任助教
1996年
3月:
山梨大学工学部化学生物工学科 卒業
1998年
3月:
山梨大学大学院工学研究科博士前期課程化学生物工学専攻 修了
2001年
3月:
山梨大学大学院工学研究科博士後期課程物質工学専攻 修了
2003年度日本放線菌学会大会 ポスター賞(日本放線菌学会)
第2回農芸化学研究企画賞 重点研究領域:天然物由来の医薬品(日本農芸化学会)
2009 年度 日本放線菌学会大会 学生優秀発表賞(指導学生, 日本放線菌学会)
ゲノム生物学の飛躍的な進歩に伴い, 多種多様な微生物の全ゲノム配列が次々と解読されています. その解析結果から, 微生物には通常の培養では検出に到らない極低発現な遺伝子(潜在遺伝子)が数多く存在することが判ってきました.
これらの遺伝子は当然ながら利用されることなく見落とされてきた部分ですが, 抗生物質などの有用な二次代謝産物の生産に繋がるものが多数含まれていることも明らかになってきました.
最近の研究成果から我々は, 薬剤耐性変異を活用して, 微生物細胞内の RNA ポリメラーゼ(転写装置)やリボソーム(翻訳装置)の機能を改変・増強することで, 微生物の潜在遺伝子を効率的かつ効果的に活性化できることを実証しました. この原理を基に, 代表的な抗生物質生産菌である放線菌の潜在遺伝子を目覚めさせ, 実際に新しいタイプの抗生物質を発見することにも世界で初めて成功しました. 現在, 微生物における転写・翻訳機能の改変による潜在遺伝子活性化メカニズムを解明するとともに, この仕組みを活用して新しい有用二次代謝産物を効率的に発見するための技術開発に取り組んでいます.
日本におけるテニュアトラック制度の導入により、自立して研究に専念できる環境が若手研究者に与えられ、それぞれのカラーを存分に発揮しつつ活躍できるようになったことは素晴らしいと思います。テニュアトラック教員は非常に魅力的な立場ですが、実際には厳格な審査があり、大きな壁にぶつかることも多いかと思います。それを乗り越えてこそ、本当の意味での“自立した研究者”の誕生に繋がると信じています。今後、多くの若手研究者がテニュアトラック教員としての経験を積むことができるように、本制度が日本に根付くことを意識して研究活動に取り組みたいと考えています。
これからは、テニュアトラック教員として非常に恵まれた立場での研究生活を送ることになります。この大きなチャンスを活かして、“自分らしさ”を常にアピールできる研究者を目指していきたいと思います。大学では、研究だけでなく教育も重要になります。私の研究では、「微生物潜在機能」が一つのキーワードになっています。将来的には、学生の潜在能力を見出して、それを最大限に発揮できるような教育環境を作っていきたいと考えています。