学内限定

プロジェクト

情報基盤システム概要

総合情報センターは、平成21年に改組して以来、大学の情報基盤の整備だけでなく、大学の情報戦略の策定を実施する等、信州大学の情報化に大きな役割を担う組織となりました。この間、学内の学生を含む研究者への高度な数値計算及び在学生の情報処理教育の利用機会を提供し、大きな成果を上げてきました。さらに、平成22年より、信州大学の情報戦略に法り、システムはこれまでのような教育支援だけではなく、大学全体の高度なICT化を促進する情報基盤を整備・構築することとなりました。 

令和2年に導入した現在の情報基盤システムは、災害時の対応も考慮してクラウド型で整備した平成27年のネットワークシステム、認証ネットワーク、メールシステム、ポータルサイトを発展させ、PLAN the NEXTで謳っているStrategy, Sustainability,Securityの推進のため以下の観点で構築しました。[1]

[Strategyとして]
 学内外の多様なサービスシステムとの連携が可能な認証システムを構築しました。連携するシステムとの認証方式を統一・更新したことにより、学内で利用する各種サービスへのアクセスが容易となり、ユーザの利便性を向上させました。
連携するシステムとの認証方式を統一・更新したことで、これまでACSUポータルサイトに接続した後でないと接続できなかった Google や eALPS 等の各種サービスにACSUポータルサイトを経由しなくともアクセスし利用することが可能となり、ユーザの利便性を向上させました。
 ネットワークを利用した研究・授業活動を活発にするためネットワークを高速化しました。インターネット接続を20GB化、キャンパス間ネットワークは 10GB〜20GB で接続しており、建物ごとに設置したネットワーク装置もアップリンクは10GB対応可能です(教室など一部10GB化済み)。これにより2020年に発生したコロナ禍においても遠隔講義や会議の開催に有効に対応できました。
 大学の教育と研究に対する情報基盤の運用形態の見直しを行いました。BYODの普及、および、研究の多角化に伴い、教育用端末システムと研究用ソフトウェアについては情報基盤システムの範疇から除くこととしました。
 そして、大学の運営に貢献するため、経営層向けに、特別な技術がなくとも信州大学のネットワークトラフィックを視覚的に確認できるシステムを導入しました。これによりネットワーク障害情報等を経営層と共有しやすくなりました。

[Sustainabilityとして]
 本学のインフラとなるネットワークや基幹サービスについて基盤の強化と堅牢性を高めました。キャンパス間ネットワークは、キャンパス外に存在し災害等にも対応したデータセンターを頂点に完全にループ化され、どのキャンパスや回線が不通になっても他キャンパスの通信が確保できるように設計されています。また、キャンパス間回線においては 10GB〜20GB の回線を整備しております。更に、セキュリティ装置、インターネットへの接続点(SINET5)においても全て 20GB 以上の広帯域回線とそれに対応したセキュリティ装置を整備しました。
 そしてサービスシステムの面でもハイブリッドクラウドを用いて強化しています。従来のシステムで既にクラウド化を実現していたメールシステムに加えて、ポータルサイト、グループウェア、認証システム等の重要なサービス基盤はパブリッククラウド化・データセンタープライベートクラウド化することで堅牢性を確保しました。これらの重要なサービスシステムをクラウドにて運用することで災害時の事業継続性を確保しています。
 情報基盤システムに関するログデータの保全基盤の整備を行いました。これは情報基盤システムでだけでなく様々なデータのバックアップなどに対応可能です。

[Securityとして]
 信州大学ネットワーク全体の安全性を確保するセキュリティ装置(UTM)と認証ネットワークを更新しました。セキュリティ装置は信州大学ネットワークのインターネット接続点に設置しております。これまでも通信を行うアプリケーションの分析と制御を行っておりましたが、最新の装置に更新することにより、広帯域の通信を維持しながら従来と比較してより詳細なアプリケーションの分析が可能となり攻撃的な通信から信大を防御します。
 また、認証ネットワークを更新しました。認証ネットワークを更新したことにより、最新のセキュリティ(SSL/TSL)への対応が可能となりました。 
情報基盤システム2020.png
[情報基盤システムのこれまでの経緯]
 平成27年に導入した情報基盤システムは、信州大学の災害時の対応も考慮したクラウド型の情報基盤を整備し、本学のネットワークシステム、認証ネットワーク、メールシステム、ポータルサイト、教育用クライアントシステム等から構成されており、信州大学の高度なICT化を促進する基盤となっていました。

[1] 信州大学, デジタルパンフレット PLAN the N・E・X・T 2019-2021, p.8,
https://www.shinshu-u.ac.jp/guidance/policy/plan/next/


高速高信頼学内ネットワーク概要

frnetwork.png

 2007年度末までキャンパス間回線は1Gbpsでしたが、新SUNSなどのシステムの需要を賄うべく、2Gbpsという広帯域を実現する機器(光波長多重化装置, 以下WDM装置)を導入しました。

 2010年度から2012年度までにはさらに需要に応じた『高速高信頼学内ネットワークシステム』が整備され、回線速度も最大20Gbpsと、大幅に増強されました。

 2017年9月にキャンパス間の完全ループ化が完成しました。

 2018年3月に WDM装置の更新およびループ化の一部を見直し、より堅牢性の高いキャンパス間ネットワークを実現しました。

 そして 2020年9月には、外部接続(SINET 長野データセンター)への回線を 20Gbps (10Gbps x 2の冗長接続)へ増強します。また、ループ構成を見直し、トポロジー内にデータセンターを組み入れることで、情報システムの堅牢性・可用性の向上にも対応できる基盤ネットワークを整備予定です。キャンパス内ネットワークにおいては、建物間接続を10Gbpsへ増強する予定です。

整備内容
・外部接続(SINET 長野DC)への回線を 20Gbps へ増強
・キャンパスコアスイッチの増強
・全キャンパスにおける建物スイッチ更新と回線の増強
・ループ構成の見直しによる堅牢化
・データセンターへの接続性の向上による堅牢性と可用性の確保

(接続概要図については2020年9月頃にシステム更新に伴い変更予定)

SUNSシステム概要

信州ユビキタスネットシステム(SUNS)とは
(Shinshu Ubiquitous- Net System)

更新2020年3月

 主として信州大学の各キャンパス間及び長野県内の大学間で講義・会議を共有することができる遠隔講義・会議システムです。本学は8学部が5キャンパスに分散しているという特異な設置状況に置かれていますが、遠隔講義・会議システムを用いた30年以上に及ぶ遠隔教育の実績と、基礎教育及び、IT大学・大学院のe-Learningの実績があります。
 単なる講義を一方的に流す授業では得られない教育効果の上がる遠隔講義の方法や、受講する学生がストレスを生じない講義方法など、遠隔講義のノウハウは豊富に蓄積されています。
 平成21年度からは長野県内の大学が参加している「高等教育コンソーシアム信州」においても利用されています。
 学部にとらわれず、いつでもどこでも自由に授業を受けられるシステム基盤であり、学内遠隔会議にも利用されています。

旧SUNS
信州大学画像情報ネットワークシステム(Shinshu University Video and Data Network System)

長野県内5キャンパスに分散している本学を、美ケ原中継局を中心としてマイクロ波無線回線(19Mb/s)により、一元的に結んだ同時多重中継可能なネットワークシステムで、昭和63年から本稼働しました。
各キャンパス間で画像、データ、内線電話などのマルチメディア情報交換に利用されました。
平成9年度から平成11年度には、大画面の8面マルチモニタを利用した講義室も設置されました。

新SUNS
信州ユビキタスネットシステム(Shinshu Ubiquitous- Net System)

光ケーブルを利用したギガビットイーサネットワークによる学内LANを基盤とした遠隔講義・会議システムで、平成19年度から3年計画で整備して平成21年度に完成しました。
システムがある各講義室・会議室は、高画質なハイビジョン画像で映像を見ることができます。
平成22年度から平成24年度に整備された「高速高信頼学内ネットワーク」がSUNSシステムのネットワーク基盤となりました。

「信州ユビキタスネットシステム(2006)」 Shinshu Ubiquitous-Net System

SUNS 2020(会議室の分離)
信州ユビキタスネットシステム 2020(Shinshu Ubiquitous- Net System 2020)

平成22年度から平成24年度に整備された「高速高信頼学内ネットワーク」をSUNSシステムのネットワーク基盤として利用することにより、学内会議については市販されている単体製品を利用した会議システムの導入やパソコンにWEBカメラ、スピーカー及びマイクを接続した簡易な機器での遠隔会議が可能となり普及しました。
このため、従来型の自動起動・自動終了の新SUNSは2020年からは講義専用として利用していきます。会議室の分離は、2019年11月から本運用が開始されました。


参考:信州大学における遠隔講義・会議機器の種類(2020年現在)

● SUNS 2020

講義室内の遠隔講義用機器及びAV機器を自動起動・自動終了できる遠隔講義室が学内に15拠点存在しており、専用の多地点接続装置及び管理サーバを学内に設置している。高等教育コンソーシアム信州など限定的に学外との接続も実施している。

● 単体製品遠隔会議システム(限定的に学外拠点との接続も許可)

Polycom社の機器による学内会議
(他社製品と互換性あり、多地点接続装置機能搭載機器もあり)
Sony社の機器による学内会議
(他社製品と互換性あり、多地点接続装置機能搭載機器もあり)
Panasonic社の機器による学内会議
(他社製品と互換性あり、多地点接続装置機能搭載)
RICOH社の専用ポータブル機器による学内会議
(他社製品と互換性なし、有償で個人利用のアプリケーション製品あり)

● パソコン等によるWEB会議(有料または無料)
(利用ネットワークにより不可の場合あり。チャット会議、音声会議を含む。)

Google Hangouts Meet
Zoom
WebEX
Skype for Business
等多数


信大キャンパス放送

 信州大学では、キャンパスやその近郊で災害が発生したときに、学生教職員に最新の災害情報を早期に伝える事を目的とした放送を行っています。これを「信大キャンパス放送」と呼びます。
 平常時も、総合情報センターから情報システムを利用する上での重要な情報や健康安全センターからの健康管理のための情報、また松本キャンパス前バス停の時刻表等日常に役立つ情報を放送しています。
 信大キャンパス放送はiOS、AndroidOS用のアプリをインストールして受信エリア内で視聴することが出来ます。

 スマートフォンでの視聴方法(学内ネットワークからアクセスしてください)

 信大キャンパス放送番組表(学内ネットワークからアクセスしてください)

信大キャンパス放送の経緯

平成22年10月

総務省ホワイトスペース推進会議に「ホワイトスペース特区」の提案書を提出

平成23年 4月

ホワイトスペース特区採択(全国44案申請され25案が採択)

平成23年12月

無線局免許(実験試験局*2局) 申請

平成24年 1月

無線局予備免許交付

試験電波発射

平成24年 2月

無線局免許交付

・キャンパス内における電波伝搬状況の調査(電界強度測定)

・本運用に向けての配信素材の作成

・学生、教職員への受信方法の説

平成24年 3月

開局

平成24年4月

本運用開始(電波伝搬状況等の詳細な調査を継続)

平成25年12月

地上一般放送局(*3局) 申請

平成25年12月

無線局予備免許交付

平成26年2月

本放送開始

平成26年4月

ワンセグ対応WiFiマルチキャスト配信開始(WiFi放送)

平成30年3月

ワンセグ放送配信停止(WiFi放送のみ)

平成30年10月

新WiFi放送システムによる配信開始(potaVee)

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◆推進体制
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国立大学法人信州大学は(株)テレビ松本ケーブルビジョンとの共同申請で、平成23年4月、総務省において設置されたホワイトスペース推進会議の「ホワイトスペース特区」に決定、大学としは国内で初めて、エリアワンセグ放送での緊急情報通報実験の準備を開始しました。

以降、3Dシミュレーションによる正確な電波伝搬実験、アンテナや送出機器を設置するなど、インフラを整備し、今年2月に実証実験局の免許が交付されました。そしていよいよ信州大学松本キャンパスで、学生及び教職員の安全を守るための緊急情報通報システム実験放送が始まります。



 【開発協力】
 ・信州大学
 ・株式会社テレビ松本ケーブルビジョン
 ・富士通ネットワークソリューションズ株式会社
 
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