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生物学コースの松本卓也助教の研究グループが、チンパンジーの平均心拍数を非接触で測定することに成功しました。

2024年5月22日
【研究成果のポイント】
・麻酔下のチンパンジーの平均心拍数を、ミリ波レーダ技術を用いて遠隔から測定することに成功しました。
・ヒト以外の動物の心拍数を非接触かつ遠隔から計測可能になる点で、ミリ波レーダ技術は、①認知研究の基礎情報の提供、②心理的・身体的ストレスの指標の提供、③飼育動物の動物福祉の向上、の意義があると期待されます。

【概要】
信州大学理学部生物学コースの松本卓也・助教、京都大学大学院工学研究科修士課程学生の岩田慈樹さん、京都大学大学院工学研究科の阪本卓也・教授、京都大学野生動物研究センターの平田聡・教授は、ミリ波レーダを用いてチンパンジーの平均心拍数を非接触で遠隔から計測することに成功しました。心拍数はバイタルサインの1つであり、対象動物の身体的・心理的状態を評価するための貴重な指標となります。しかし、心拍数の測定には接触型の装置が用いられることが多く、機器の重さによる対象動物の負担増加や、装着時の麻酔のリスクが課題として指摘されていました。本研究チームが開発を進めているミリ波レーダ技術は、心拍や呼吸に由来する対象動物の微細な体表面の動きを遠隔から捉えることができます。特に、ヒト以外の動物の心拍数を非接触かつ遠隔から計測可能な点で、ミリ波レーダ技術は、①認知研究の基礎情報の提供、②心理的・身体的ストレスの指標の提供、③飼育動物の動物福祉の向上、という大きく3つの意義があると期待されます。

【論文タイトルと著者】
タイトル:First noncontact millimeter-wave radar measurement of heart rate in great apes: Validation in chimpanzees (Pan troglodytes)
著者:Takuya Matsumoto, Itsuki Iwata, Takuya Sakamoto, and Satoshi Hirata
掲載誌:American Journal of Primatology
DOI:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ajp.23633
リンク:10.1002/ajp.23633

【関連リンク】
(2022年8月9日)生物学コース松本卓也助教を代表とする研究グループが飼育ウマの呼吸数を非接触で測定することに成功しました。
(2023年10月18日)生物学コースの松本卓也助教を含む研究グループが、チンパンジーの瞬時心拍間隔を非接触で測定することに成功しました。
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