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生物学コース松本卓也助教を代表とする研究グループが飼育ウマの呼吸数を非接触で測定することに成功しました。

2022年8月9日
 信州大学理学部生物学コースの松本卓也 助教、株式会社マリの奥村成皓 研究開発本部長、京都大学野生動物研究センターの平田 聡 教授は、ミリ波レーダを用いて立っている状態の飼育ウマの呼吸数を、接触せずに測定することに成功しました。ミリ波レーダ技術を用いたバイタル情報(呼吸数・心拍数)の非接触測定は、ヒトでは実用化が進んでいますが、ふらつきの影響が大きい立っている状態の動物を対象にした研究はありませんでした。今回、飼育ウマの呼吸数を、ミリ波レーダを用いて非接触で測定したところ、同時測定した赤外線サーモグラフィによる測定値とおおよそ一致し、非接触でもミリ波レーダ技術を用いれば十分に呼吸数を測定できることがわかりました。畜産業では、飼養動物の日々の健康管理が欠かせませんが、一方で人獣共通感染症対策として接触頻度を減らすことも必要です。本研究で明らかになったミリ波レーダを用いた非接触の呼吸数測定技術が、今後畜産業等の飼育動物を保有する業界にて実用化されることが期待されます。

【研究成果のポイント】
・立っている状態の飼育ウマの呼吸数を、ミリ波レーダ技術を用いて接触せずに測定することに成功しました。
・ミリ波レーダによる呼吸数測定は、ヒトではすでに実用化が進んでいますが、四足で立っている状態の動物に応用されたのは初めてです。
・人獣共通感染症への対策強化が求められる畜産業において、接触頻度を減らしながら日々の健康チェックを行う新たな手段として今後応用されることが期待されます。


本研究成果は、2022年8月9日付けで、日本獣医学会の学術誌『The Journal of Veterinary Medical Science』上で発表されました。
本研究は JSPS 科研費 20K20875, 18H05524 の助成を受けたものです。
【論文タイトルと著者等】
タイトル:Non-contact respiratory measurement in a horse in standing position using millimeter-wave array radar

著者:Takuya Matsumoto, Shigeaki Okumura, and Satoshi Hirata
掲載誌:The Journal of Veterinary Medical Science
掲載日:2022 年8 月9 日
U R L:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jvms/advpub/0/advpub_22-0238/_article/-char/en

D O I:10.1292/jvms.22-0238

Takuya Matsumoto(信州大学)
Shigeaki Okumura(株式会社マリ)
Satoshi Hirata(京都大学)
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