生物学コース 植物細胞生物学分野

植物細胞生物学分野とは

植物細胞の中には様々なオルガネラが存在しており、それぞれが特徴的な機能を持っています。これらのオルガネラが機能を発揮するためには、細胞内で適切な形態・構造をとり、適切な動きで適切な場所に局在する必要があります。当研究室では植物オルガネラの形態・構造・運動を制御するメカニズムについて研究を行っています。

核の形を制御するしくみ

多くの生物の教科書では植物細胞の模式図に球形の核が描かれています。しかし、モデル植物のシロイヌナズナの細胞の核を染色して観察すると、球形だけでなく紡錘形や棒形などさまざまな形の核を見ることができます。我々の研究室では植物が核の多様な形態を制御する仕組みやその生物学的意義を明らかにするため研究を行っています。

オルガネラ間の相互作用のしくみ

オルガネラは脂質膜に包まれ単独で機能できる小器官です。植物細胞内ではオルガネラが単独で働くだけでなく、同種、異種のオルガネラが協調して機能しています。例えば、葉緑体とミトコンドリアとペルオキシソームは代謝産物を輸送し合いながら光呼吸経路を形成します。このようなオルガネラ間の相互作用の仕組みについて研究しています。

植物の組織透明化手法の開発

植物細胞を構成する細胞壁などの細胞構造や液胞や葉緑体に含まれる大量の色素が、光を反射、屈折、吸収するため、植物の深部組織の鮮明な顕微鏡像を得ることは簡単ではありません。当研究室では、蛍光タンパク質の蛍光を保持したまま植物組織を透明化する方法を開発しています。
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