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産婦人科 布施谷医師らによる研究成果に第32回日本エンドメトリオーシス学会学術集会演題発表賞が授与されました

産婦人科 布施谷医師らによる研究成果に第32回日本エンドメトリオーシス学会学術集会演題発表賞が授与されました。


 


演 題:Dienogest は炎症性サイトカインによるミスマッチ修復機構異常を抑制する
発表者:布施谷千穂、堀内晶子、林晶子、岡賢二、塩沢丹里(信州大学医学部産婦人科)
贈呈式:平成23年1月23日


 


受賞研究内容
子宮内膜症は、子宮内膜組織が子宮以外の場所に増生し、その病変が女性ホルモンの影響を受けて、月経のたびに出血・炎症を繰り返し、さらには癒着を起こす疾患です。中でも、卵巣に発生する卵巣子宮内膜症は、生殖期間に月経様の出血が蓄積した結果として、チョコレート状の液体を含む嚢胞を形成する良性腫瘍です。しかし、これまでに卵巣子宮内膜症から発生したと考えられる卵巣癌の症例や、子宮内膜症は正常子宮内膜そのものとは異なる腫瘍性増殖能を持つことが報告されています。さらに、最近、卵巣子宮内膜症を有する患者からの卵巣癌の発生率は、卵巣子宮内膜症を有しないコントロール群と比べて有意に高いことが報告されていることからも、卵巣子宮内膜症は、“癌化”する可能性がある疾患といえます。
近年の晩婚化などの女性のライフスタイルの変化によって、卵巣子宮内膜症の摘出術を行わず保存的治療を希望する症例が非常に増えています。そこで、癌化のリスクを常に念頭に入れ治療を行うことが極めて重要です。
これまで、医学部産科婦人科学教室(塩沢丹里教授ら)は、「卵巣子宮内膜症および卵巣癌への発症過程におけるミスマッチ修復(MMR)機構の異常の関与、さらに炎症性サトカインTNF-αとIL-6によるMMR機構の異常との関連性」について報告してきました。今回、同学部産科婦人科学教室は、子宮内膜症の治療薬であるジエノゲストのMMR機構の異常に対する影響を検討し、ジエノゲストが炎症性サイトカイン誘導性MMR機構の異常を抑制することを見いだしました。子宮内膜症の癌化に対するジエノゲストによる新規治療法の可能性を示したことに対して、同学部産科婦人科学教室へ第32回日本エンドメトリオーシス学会学術集会演題発表賞が贈呈されました。

 
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