2025年 春・ドイツ 「挑戦にあふれたドイツ留学」(臨床実習)
氏名:須貝 光
派遣先:ドイツ ドレスデン工科大学
期間:2026年3月~2026年5月
留学先大学について:
実習先であるドレスデン工科大学医学部は、19世紀の偉大な医師・自然科学者・画家であるカール・グスタフ・カールスの名を冠したドレスデン大学病院(Universitätskilinikum Carl Gustav Carus Dresden)を擁しています。約35万平方メートルにおよぶ広大な敷地内には、診療科ごとに独立した現代的な病棟が立ち並び、きわめて高い水準の医療環境が整えられています。学内には「CARUSO」をはじめとする食堂や、白衣・ポロシャツ等の医療衣類が自動で管理・貸与されるシステムなど、学生や医療スタッフを支える設備が非常に充実しています。また大学病院が位置するドレスデンは「エルベのフロレンツ」と称される歴史的な美しさと最先端の医療技術が融合した都市であり、恵まれた環境の中で質の高い臨床実習に臨むことができました。
学習面について:
実習は整形外科にて約2ヶ月間行い、整形外科内で細分化された各ステーション(腫瘍・上肢、外傷・脊椎、人工関節・下肢など)を3週間ごとにローテーションしました。毎朝7:30からの全体カンファレンスから1日が始まり、その後すぐに手術室へ移動して手術見学や実習を行いました。基本的には100%ドイツ語で行われるため、言葉の壁には非常に苦労し、最初の頃は何をすべきか分からず病棟で一人孤立してしまう失敗もありました。しかし、自分から積極的にコミュニケーションを試みたり、質問を重ねたりすることで見学の幅が広がりました。人工関節置換術やナビゲーションシステム(Orthopilot)を用いた先進的な手術、さらには足関節症への関節温存アプローチなど、日本の医療とのアプローチの違いや高い技術力を現場で直接肌で感じることができ、非常に深い学びを得ました。
生活について:
現地での生活基盤となった寮は、部屋に洗面台があり、キッチンやシャワー、トイレは共同のスタイルでした。生活に必要な食器類は揃っており、週1回の清掃やタオル交換など快適に過ごせる環境でした。交通面では、月額€63の「Deutschland-Ticket」を活用し、寮の目の前を通るトラムを利用して移動しました。トラムは定刻通りに運行される一方、鉄道は遅延が頻発するため余裕を持った計画が必要です。食生活では、ドイツで独自の進化を遂げたケバブ文化を楽しみ、街中のケバブ屋(特にroyal kebab)に足を運びました。日常生活の買い物はNettoやALDI、Kauflandなどのスーパーを価格帯や用途に合わせて使い分け、ペットボトルのデポジット(Pfand)システムなどドイツならではの生活習慣も体験しました。
留学で得たこと:
日本での大学生活とは異なり、部活やバイトに縛られない「自分だけの自由な時間」を活かし、学業以外にも様々な挑戦ができました。具体的には、現地のサッカーチーム(SpVgg Dresden-Löbtau)へ自ら英語・ドイツ語で参加希望メールを送り、練習や試合に参加して現地メンバーと絆を深めることができました。また、格安航空やFlixBusを利用して、エストニアやハンガリー、北欧諸国など多くの国々を訪問し、各地の美術作品を鑑賞する美術館巡りを達成しました。医療現場での経験はもちろんのこと、言語の壁を恐れずに飛び込む積極性、異文化の中で主体的に行動する実行力、そして世界中の多様な価値観や歴史に触れたことで、医師としてだけでなく一人の人間として視野が大きく広がりました。
後輩へのアドバイス、奨学金システムへ一言:
「英語やドイツ語が苦手だから」と留学を躊躇しているなら、絶対に諦めずに一歩踏み出してほしいです。私自身、最初は聞き取りもままならず悔しい思いを何度もしましたが、完璧な語学力よりも「伝えようとする熱意」と「一歩を踏み出す行動力」こそが重要だと実感しました。留学中は自由な時間が十分にあります。医療の実習だけでなく、現地でのスポーツや旅行など、自分の興味のあることに貪欲に挑戦してください。その経験すべてが将来の大きな財産になります。また、この度は多大な奨学金のご支援をいただき、心より感謝申し上げます。物価高や為替の影響がある中、資金面での不安を感じることなく学業や現地での現地調査・文化体験に専念することができました。この貴重な機会で得た見識と国際感覚を、今後の医療現場および社会還元へしっかりと活かしてまいります。