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2025年 春・ドイツ 「自ら考え、行動する力を学んだドレスデン留学」(基礎研究)

氏名:河﨑 萌花
派遣先:ドイツ ドレスデン工科大学
期間:2026年3月~2026年5月

留学先大学について:
 ドレスデン工科大学は、ドイツ東部ザクセン州の州都ドレスデンに位置する東ドイツ最大の総合大学であり、ドイツを代表する研究大学の一つとしても知られています。ドレスデン工科大学には、工学、教育、理学、建築学などの様々な学部があります。私が実習を行った医学部は、ドレスデン工科大学のメインキャンパスとは離れた、エルベ川沿いにあり、ドレスデン中央駅からはトラムで30分ほどの距離にあります。広大な敷地内に医学部とその附属病院、研究施設、図書館などが集約されています。ヨーロッパをはじめ世界各国から多くの研究者や留学生、医師が集まる国際的な環境でした。

学習面について:
 産婦人科の研究室を主宰されているKuhlmann先生のもとで、研究に携わる機会をいただきました。この研究室では、がん細胞を用いた基礎研究に加え、同病院内から提供されたデータを用いた臨床研究が行われており、特に婦人科悪性腫瘍に対するPARP阻害薬を用いた治療に関する研究が進められていました。中国からの留学生であるPhDの学生の方の実験に同席し、様々な実験の手技を学ぶことができました。また、Kuhlmann先生に相談し、自身の臨床上の疑問を基礎研究に落とし込み、自分自身の研究テーマを立案・実施する機会にも恵まれました。限られた留学期間の中で、満足のいく結果を得ることはできませんでしたが、研究目的を設定し、その目的を達成するための実験計画を組み立てていく過程は難しくも非常に興味深いものでした。実験手技だけでなく、自ら疑問を持ち、それを研究として形にしていく過程を経験できたことは、大変貴重な学びとなりました。    

生活について:
 研究室から徒歩で10分ほどの距離に大学の寮で生活していました。部屋は週に1回清掃があり、共用のトイレ、シャワー、キッチンも毎日清掃してくださっていたので、大きな不便を感じることなく快適に過ごすことができました。また、共用キッチンでは他国から来た留学生や日本人留学生と交流する機会もあり、研究以外の時間でも様々な人と関わることができました。寮のすぐそばにトラムの駅があり、スーパーへの買い物や中心街への移動もしやすく、生活面で困ることはほとんどありませんでした。ドレスデンはエルベ川沿いに広がる美しい風景や多くの歴史的建造物、美術品など、文化的な魅力にあふれた街でした。研究後や休日には街を散策し、ドレスデンならではの雰囲気を楽しむことで、充実した留学生活を送ることができました。 

留学で得たこと:
 今回の留学で私が最も得たことは、「主体的に行動することの重要性」です。留学当初は、多忙な研究室の中で自分がどのように研究に関わるべきか迷い、積極的に動くことができませんでした。しかし、自分自身で考え主体的に取り組みたいと思い、自ら研究計画を立案することを決心しました。そこで、自分の興味のある分野に着目し、利用可能な細胞株や自分の技術で実施可能な内容を整理した上で実験計画を作成し、教授へ直接提案しました。その結果、研究を進める機会をいただき、自ら考えたテーマに取り組むことができました。留学期間の都合上、十分な検証や再実験を行うことはできませんでしたが、研究計画を自ら考え、提案し、実行するという一連の過程は、これまでにない貴重な経験となりました。
今回の留学を通して、私は与えられた環境の中で努力するだけではなく、自ら環境を切り拓いていく姿勢の大切さを学びました。自分にできることを整理し、必要な準備を重ねた上で行動に移すことで、新たな挑戦への道が開けることを実感しました。この経験は、研究だけでなく、今後医師として臨床や研究に携わる上でも、自ら課題を見つけ、主体的に解決策を考え行動する姿勢につながる、かけがえのない財産になったと感じています。

後輩へのアドバイス、奨学金システムへ一言:
 留学に行くことを決めている方も、まだ迷っている方もいると思います。私自身も、実際に参加を決断するまで不安があり、直前まで迷っていました。それでも挑戦することを決めたのは、未知の環境に飛び込んだ先で何を学び、どのような経験にできるかは、自分自身の行動次第だと考えたからです。留学では、楽しいことや上手くいくことばかりではなく、時には悩んだり、思い通りに進まなかったりする場面もあると思います。しかし、その中で、自分自身で考え、選択し、行動した経験は、必ず自分の成長につながるものだと感じています。また、現地の先生方や学生は、留学生の挑戦を温かく受け入れ、支えてくださいました。
 少しでも留学に興味があるならば、ぜひ勇気を持って挑戦してほしいと思います。その経験は人それぞれ違うものになると思いますが、自分だけの学びや成長につながる、かけがえのない時間になるはずです。                            
 最後になりますが、このような貴重な留学の機会を与えてくださった田中教授をはじめ、国際交流推進室、学務の皆様に心より感謝申し上げます。また、松医会海外留学奨学金による多大なご支援を賜りました松医会の皆様、そして現地で温かくご指導くださったKuhlmann先生や研究室の皆様に、この場をお借りして深く御礼申し上げます。

 
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