大学院理工学系研究科修士課程電気電子工学専攻の降幡 和彰さんが2014 IEEE ICMM Student Poster Awardを受賞
2014.07.07
賞状
授賞式の様子(降幡さんは右から2人目)
大学院理工学系研究科修士課程電気電子工学専攻2年生で先端磁気デバイス(佐藤・曽根原)研究室に所属する降幡 和彰さんが、2014 IEEE ICMM Student Poster Awardを受賞しました。
ICMMは、米国電気電子学会IEEEが主催するInternational Conference on Microwave Magneticsの略称で、2008年から始まり今回で4回を迎える高周波磁気に関する国際会議で、高周波磁性材料やそれを用いた高周波デバイス、電子のスピンを応用したデバイスなどが対象になります。6月29日~7月2日まで4日間仙台国際センターで開催されました。今回は、約20ヶ国から参加があり、80件以上の発表がありました。ポスター発表は42件あり、うち約半分が受賞対象となる学生発表で、厳正なる審査を経て2件選出されました。
受賞した論文題目は、"Q-factor Increase of RF Spiral Inductor Using Composite Magnetic Core"です。
研究内容は、スマートフォンなどの携帯機器の無線回路内の受動素子であるインダクタのQ値向上に関するものです。携帯機器の多機能化に伴う無線回路部の素子の増加などに対して、素子の小型化が要求されています。特に占有面積の大きいインダクタは、磁性薄膜を装荷することで小型化を実現する研究が多く報告されてきましたが、高周波損失により高いQ値を得ることが難しいことや、磁性膜成膜工程に伴う平坦化工程の追加などコストの面からも問題がありました。そこで本研究では、高周波損失の原因の一つである近接効果の抑制に着目し、カルボニル鉄粉/エポキシ複合磁性材料を適用することで、1 GHzにおいて空心インダクタよりも約30 %の損失低減を実現しました。またこの手法はインダクタ上部に複合材料を塗布する工程を追加するだけなので、大幅なコスト増にならないという利点もあります。
授賞式は、7月1日にホテルメトロポリタン仙台で開催された2014 IEEE ICMM Award Ceremony において行なわれました。
・記事本文 第1段落1行目
先端磁気デバイス(佐藤・曽根原)研究室;
http://amdl.shinshu-u.ac.jp/
・記事本文 第2段落1行目
ICMM;
http://www.ecei.tohoku.ac.jp/icmm2014/