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卒業生の声 #03 茂原 奈保子 awai art center 代表 (長野県佐久市出身 2011年卒業)
茂原 奈保子

信州大学人文学部を選んだ理由はなんですか 高校のときに興味を持っていた分野を全て学べる場所だったからです。当時は語学や哲学、心理学を学びたいと思っていました。 また県内出身ということもあり、大学自体が候補にあがりやすい環境もありました。


学生生活の中で印象に残ったことはなんですか 私は大学3年に上がるときに、英語学分野から芸術コミュニケーション分野に転向しました。一度興味のある専攻に足を踏み入れた後に他の分野にも興味が広がった際、転専攻できる環境があったことがとてもありがたかったです。入学してから進む道を選ぶチャンスが2度あるともいえるでしょう。

芸術コミュニケーション分野では主に美術関連の授業に強く興味を持ち、力を入れて参加していました。「芸術ワークショップゼミ」という授業があり、ここでは実際に先生の指導のもとで学生が自主的に現代アートの展覧会の企画・運営を行います。正直右も左もわからなかった中で、実際に活躍されているアーティストを松本にお招きし、共に協働しながら作品や展覧会をつくっていく行為はとても刺激的で、ぐんぐんと視野が開けていく感覚でした。この経験は現在の私の活動の下地になっています。


現在のお仕事について教えて下さい 大学卒業後は一旦松本市内で民間企業に勤め、その後東京都内の美術館・ギャラリー勤務を経て松本市内にawai art centerという小さなアートスペース(ギャラリーにカフェ、ライブライリーを併設しています)を開きました。現在はここを運営しています。仕事の内容はスペースの運営全般ですが、具体的にはギャラリーでの月ごとの展覧会の企画と運営、カフェの営業がメインです。


学生時代に学んだことが、今の仕事に活かされていることはありますか 沢山あります。
2つ目の質問の回答と重複しますが、特に芸術ワークショップゼミで学んだことはソフト面・ハード面の全てが今の仕事の下地となっています。大学で行うのと個人で運営していくのとでは母体が大きく異なるため現れてくる形も異なりますが、軸となっている部分は授業を通じて形成されたと思っています。

ソフト面に関しては社会とアートをいかにつないでいくか、なぜアートを社会に開いていく必要があるのか、という思想の部分で、これは常に頭の中にあることです。またハード面については、展覧会の作り方、具体的に言うとアーティストといかに関わるのか、どのように展覧会のコンセプトを立てていくのか、ということなどです。


今後の目標を教えて下さい 遠い未来についての具体的な形はまだ自分でも見えていませんが、今運営しているスペースを持続させていくことが当面の目標です。その中で多様な人々が、それぞれのかたちで「普通に」アートを楽しめるようなひとつの文化をつくれたらと思っています。


これから入学してくる皆さんへのメッセージをお願いします 人文学部では、生きていくうえで大切なことを学べる機会が本当に沢山あります。その時の自分の興味に強くとらわれず、様々な専門の授業を受けてみると良いと思います。

また、何をしても取り返しがつかないくらいの大きなリスクにつながることはほとんどないと思うので、近くにいる友達や先輩、そして先生、大人たちに頼ってやりたいことはなんでもやってみることをおすすめします。

大学生活は自分次第でいくらでも変えられるので、存分に楽しんでください。その中でぜひawai art centerにもあそびにきてくださいね!





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