ごあいさつ
Greeting

アクア・ネクサスカーボン-プラットフォーム 会長/
信州大学アクア・イノベーション拠点
エグゼクティブ・アドバイザー
上田 新次郎
Shinjiro Ueda

アクア・ネクサスカーボン-プラットフォーム 会長/
信州大学アクア・イノベーション拠点
エグゼクティブ・アドバイザー
上田 新次郎
Shinjiro Ueda

 アクア・ネクサスカーボン-プラットフォーム(AxC-PF)は、信州大学アクア・イノベーション拠点(信大COI)が生み出してきた研究成果を幅広く社会に展開することを目指し、2019年8月に設立しました。
 信大COIは文部科学省・科学技術振興機構(JST)の重点プロジェクトとして2013年11月にスタートし、2019年現在9年計画の7年目に入っています。このプロジェクトの目指すものは、「多様な水源から使える水を造り、飲料水のみならず、農業用水、工業用水、環境用水などにも循環させ、世界の人々の生活を支える未来につながるイノベーションを起こす」というものです。水環境の重要性は世界中で年々認識が深まり、SDGsでも世界を変えるための17の目標の1つに取り上げられています。信大COIの目標は、既存技術の延長では不可能な「ロバスト(頑健)な分離技術」による「革新的な造水・水循環システム」の開発です。この課題を解決すべく、信州大学がこれまで蓄積してきた優れた材料研究、とりわけナノカーボン技術をベースに造水性能とロバスト性を飛躍的に向上させた革新的物質分離材料の開発とその実用化に取り組んできました。同時に理化学研究所や高度情報科学技術研究機構(RIST)などと連携し、分離現象の分子論的メカニズムの解明、水関連科学技術の高度化も進めてまいりました。さらにCOIは革新的研究を論文にすること留まらず、社会実装しイノベーションを起こすことを目標としています。このため信大COIには日立製作所、東レ、昭和電工、栗田工業等が当初から参加し、産学の間でコンカレントなフィードバックを常に行ってきました。プロジェクトは7年目を迎え、革新的なナノカーボン膜を海水淡水化や超純水製造などへ社会実装する実証試験のフェーズに入っています。
 信大COIでは実に多彩な研究成果が生まれており、また生まれつつあります。これらの成果の社会実装先は、海水淡水化や超純水製造のみならず、広く産業分野にあると思われます。例えば産業用の水処理、環境対応の再生水、健康嗜好品や健康水、食品分野の物質分離と新製品創成、医療分野などです。AxC-PFは信大COIで生み出された多彩な研究成果を会員間で情報共有するプラットフォームとして、また社会実装へ向けた共同研究の土台作りのプラットフォームとしての役割を果たしてまいりたいと考えています。さらに信大COIのベースになったカーボン研究をはじめ信州大学の強みである材料研究や分析技術についてもAxC-PFで活用できるようにしてまいります。
 AxC-PFがCOIと信州大学の生み出した研究成果の社会への展開、会員各位の事業の躍進への貢献、信州大学の次世代研究に資すること、これらを通じて真のイノベーションを生み出すことを目指してまいります。

令和元年8月22日 上田 新次郎