設立趣旨
Effect

 信州大学アクア・イノベーション拠点(COI)は、文部科学省および科学技術振興機構が実施するCOIプログラムの中核拠点として、2013年に「革新的な造水・水循環システム」の実現を目指してプロジェクトを開始しました。
 9年間のプロジェクトの7年目を迎え、社会実装を目指す最終段階に至っております。COIプロジェクトの特長として、信州大学と日立製作所、東レ、昭和電工、栗田工業等の企業が基礎研究から実用化に至る開発研究まで、同時並行的に進め、産学の間でコンカレントなフィードバックを常に行ってきました。その結果、短期間で、信州大学の強みであるナノカーボン材料を中核に高分子膜や無機結晶材料において革新的材料が生まれ、多くの具体的なイノベーションが創出されつつあります。
 COIプロジェクトでは、開発の主要な出口を海水淡水化および工業用水の循環システムとして設定しておりますが、このプロジェクトで蓄積を進めた材料科学・技術の知見や開発手法は、食品加工や生活水、農業・工業用水、機構材料、センサ等の分野で新たなイノベーションを創出する可能性を秘めていると考えます。一方で社会や企業の方が抱える潜在的なニーズの発掘もイノベーションには欠かせません。いわゆる共創的なプラットフォームにより、潜在的なシーズ・ニーズを掘り起こし、次の研究活動や実用的な開発ステージにビルドアップすることが求められています。そのようなイノベーションを継続的に創出する基盤として「アクア・ネクサスカーボン-プラットフォーム(AxC-PF)」を立ち上げたいと考えます。
 新しく設立するAxC-PFでは、産学官民から広く会員を募り、「新規事業、開発ニーズの発掘と協創」「得られた知識・技術を基にした社会実装に向けた支援・育成」「各種懇談会等の開催やレター配信等による情報発信」「共同研究や共同研究体の創出」等を推進し、広く貢献してまいる所存です。
 COI終了後もこうした産学官の共創的イノベーションを創出する拠点として、活動を発展的に継続することは、地域をはじめ国内外の企業や産業の発展に貢献するものと確信しております。

令和元年5月21日

<発起人>
山浦 愛幸 一般社団法人長野県経営者協会 会長
町田 正信 オリオン機械㈱ 取締役 開発本部長
柴  克宏 伊那食品工業㈱ 取締役 開発本部長
林  宏行 長野県 産業労働部 部長
宮入 圭一 信州大学工学部同窓会 会長
都築 浩一 ㈱日立製作所 水・環境ビジネスユニット 技術アドバイザー
辺見 昌弘 東レ㈱ 水処理事業部門・研究本部 理事
中村宗一郎 信州大学 理事(研究、産学官・社会連携担当)、副学長
半田 志郎 信州大学 副学長(国際科学イノベーション拠点)
天野 良彦 信州大学工学部 学部長
遠藤 守信 信州大学先鋭材料研究所 特別特任教授
上田新次郎 信州大学アクア・イノベーション拠点 エグゼクティブ・アドバイザー

(順不同、役職名・肩書は設立当時)