教育代表者挨拶

繊維・ファイバー工学分野のグローバルリーダー育成をめざす

信州大学繊維学部長 下坂 誠


 繊維・ファイバーの世界は衣料産業にとどまらず、伝統的な繊維工学と先端的な科学技術の融合により、多様な産業分野に大きく展開しようとしています。例えば、繊維強化複合材料の飛行機・自動車本体への利用、繊維複合コンクリートの土木・建築用資材への利用が行われています。また、シルク・セルロースといったバイオ繊維も医療用素材など新たな用途が開発されています。さらに、ナノファイバー、コンポジットファイバーといった新しい機能を追究した素材から産み出される新しい価値や製品にも大きな期待が寄せられています。今や、社会は繊維・ファイバー工学の基盤知識を十分に有し、その知識を繊維産業はもとより異なる産業分野へも応用できる人材を求めています。「繊維・ファイバー工学コース」では、インターンシップ、宿泊合同研修、海外からの招へい教員による講義を採り入れた特徴ある教育プログラムを設けています。三大学がそれぞれ有する教育資源を連携させ、繊維産業界などの協力による実学も採り入れることにより、繊維・ファイバーの新たな価値や機能を追究する国際的な視野をもった技術者、研究者を育成することにより、わが国の繊維産業と繊維学界の活性化を目指します。

信州大学大学院理工学系研究科

互いの持ち味を活かしたカリキュラムでの繊維人材育成

福井大学大学院工学研究科研究科長 小野田信春


福井大学大学院工学研究科は、より実践的な高度専門技術者の育成を目指して、平成25年度に、総合工学的な位置づけにあった独立専攻「ファイバーアメニティ工学専攻」を、繊維・材料へ特化させた「繊維先端工学専攻」に再編し、スタートさせました。本専攻は、福井の繊維産業における特色と強みを有する繊維の高機能化など繊維加工に特化した分野を中心に展開しています。今回開設された繊維系3大学による「連携大学院 繊維・ファイバー工学コース」においては、それぞれの大学の持ち味を生かしたカリキュラムを共有することで、より幅広い視野で繊維について学ぶことが可能になります。またコースの中には、e-ラーニングシステムや海外の繊維研究者を招聘して開講される海外繊維・ファイバー工学事情などの科目が提供されており、繊維業界のみならず日本の産業界で強く求められているグローバルな産業人材を育成するものです。
福井大学工学部・工学研究科は、平成24年度に東海・北陸地区の国立大学で唯一、文部科学省「グローバル人材育成推進事業」に選ばれ、歴史や文化が異なる地域でも高い専門性を発揮し、地球規模で描いた夢をかたちにする技術者
“Global Imagineer”の育成を目指しています。
3大学の学生諸君が、本コースの中で積極的に相互交流を図っていくことで、自分の所属する大学を超えて視野を大きく広げ、企業から真に求められる繊維人材として世界に羽ばたいて行くことを期待しています

※世界の人々と協働しながら、夢を描き(Imagine)それを実現する技術者(Engineer)という造語。

福井大学大学院工学研究科研究科長 小野田信春

「繊維・ファイバー工学」によるイノベーション

京都工芸繊維大学工芸科学研究科長 森 肇


 本学の名称に含まれている「繊維」は、1899年開校の京都蚕業講習所を前身とし、1944年開校の京都繊維専門学校をへて新制大学発足時の繊維学部に由来しています。蚕や絹糸の教育研究に始まり、時代の要請に応えつつ変貌し、一方の京都高等工芸学校を前身とする工芸学部と融合し、現在では工芸科学部へと発展しました。このような歴史のある学部の上に置かれている工芸科学研究科では、14分野にわたる専攻を有しており、十分な基礎学力を具え最先端科学に臨機応変に対応しさらに発展させることのできる人材を育成しています。大学名に含まれる繊維分野に関する人材育成もその特徴の一つです。衣服の材料だけが繊維ではありません。よく知られているように最新鋭旅客機の機体の主要部分にカーボン繊維が用いられており最先端技術といえます。本3繊維系大学院連携の「繊維・ファイバー工学」コースでは、最先端の繊維科学について学びます。本コースでは、テキスタイルエンジニアリングおよびバイオベースマテリアルに関連するファイバーやポリマーに関する科目が充実しており、社会より求められているグリーンイノベーションを担いうる人材を養成いたします。繊維・ファイバー工学に関する次世代のものづくりを積極的に主導する研究者・技術者を目指して本コースを修了していただきたいと思います。

京都工芸繊維大学工芸科学研究科長 森 肇

 



このページのトップへ