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全研究総覧

中山間地域における伝統的植物遺伝資源の収集・保存 【地域】 野辺山高原

はじめに

本課題は、「中山間地域の再生・持続モデル構築のための実証的研究」の中で、伝統的植物遺伝資源の収集・保存を行うもので、プロジェクトの中では、実証試験のための基盤整備に関わる部分として位置づけている。
その主な内容は、以下の2点である。
①現在信州大学農学部で栽培・保存されている植物遺伝資源の整理と長期保存
②中部高冷地域を中心とした地域における植物遺伝資源の収集・評価・保存

方法(調査地)

平成22年度では、現在までに植物遺伝資源保存用の種子庫(構内ステーションおよび野辺山ステーション)の整備を行った。構内ステーションの種子庫については設定温度5℃、湿度30%の長期保存が可能で、保存する種子量にもよるが10000点以上の遺伝資源の収納・保存が可能である。また、野辺山ステーションの種子庫は主に高冷地作物の遺伝資源の保存を目的とし、設定温度5℃で、当面ソバ、ベニバナインゲン等の種子を収納・保存する。これら2つの種子庫は平成23年度当初より運転を開始した。 今後は、本プジェクトに参画する植物遺伝資源を保存している研究室をはじめ、農学部の全体の研究室に対し、遺伝資源の分譲を依頼し、遺伝資源の収集・整理を開始した。これに併せて、AFC構内ステーションの果樹園では、果樹類の栄養系保存を実施・継続した。

結果と考察

(1)果樹類の栄養系保存については、平成22年度末で14樹種・231品種・系統を維持・保存している。
(2)AFC栽培学研究室では平成22年度にソルガム(タカキビ)、麦類およびエゴマ等併せて約300品種・系統の維持採種・保存を行った。これらの特性評価・採種結果については平成23年度AFC報告で報告する予定である。
 なお、野辺山ステーションにおけるベニバナインゲンの収集・特性評価は岡部助教が別途報告した。
(3)学内遺伝資源の収集・収納
 現在、各研究室にアナウンスを行っている。

今後の方針と計画

 総合化の素材となる伝統的植物遺伝資源については、農学部南箕輪キャンパスでは作物(雑穀を含む)、野菜類、果樹類、花卉類および雑草類について収集・保存・整理を進め、実証研究の中で利用される作物・植物については、成果の公開に併せ種子の増殖等を行う予定である。

研究者プロフィール

春日 重光
教員氏名 春日 重光
所属分野 農学部 附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
兼担研究科・学部 大学院総合工学系研究科
所属学会 日本育種学会、日本作物学会、日本草地学会、園芸学会、日本農作業学会
SOAR 研究者総覧(SOAR)を見る
他の研究 未利用資源の農畜林循環利用のシステム構築と実証的研究姨捨における畦畔の持続的管理ベニバナインゲンの系統分類と遺伝資源の保存
濱野 光市
教員氏名 濱野 光市
所属分野 農学部 附属アルプス圏フィールド科学教育研究センター
兼担研究科・学部 大学院総合工学系研究科
所属学会 日本畜産学会、日本繁殖生物学会、北信越畜産学会
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他の研究 未利用資源の農畜林循環利用のシステム構築と実証的研究
岡部 繭子
教員氏名 岡部 繭子
所属分野 農学部 プロジェクト研究推進拠点
所属学会 日本作物学会、東南アジア国際農学会、日本食品科学工学会、北陸作物・育種学会、園芸学会、長野県園芸研究会
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他の研究 ベニバナインゲンの系統分類と遺伝資源の保存