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研究トピックス

インフォーマルセミナー in 信州

第23回 神経細胞における核へのシグナリングの生理と病態

開催日
: 平成28年5月26日(木)
オーガナイザー
: 神経可塑性学教室 教授 鈴木 龍雄
演題
: シナプスに局在するmRNAとシナプス-核シグナリング
講師名
: 神経可塑性学教室 助教 白井 良憲

シナプス後肥厚部(PSD)には多種多様なmRNAが結合しており、それらの中には、転写因子Gtf2i、Rai1をはじめとする自閉症スペクトラム障害(ASD)に分類される精神疾患の原因遺伝子をコードするmRNAが含まれていた。これらの遺伝子のコピー数多型とASDの表現型との因果関係が知られている。Gtf2iとRai1のmRNAはいずれも5’側非翻訳領域(5’UTR)のみ異なるスプライスバリアントから成り、5’UTRの違いによりmRNAの細胞内局在が異なっていた。本講演では、 シナプスにおける転写因子Gtf2iとRai1について考察を加える。

演題
: γ-セクレターゼによって制御されるシグナル伝達機構とアルツハイマー病
講師名
: 人体構造学教室 講師 中山 耕造

我々はNotchやDeltaの解析から、γ-セクレターゼ本来の生理機能は、1型膜蛋白質の細胞内ドメインを細胞膜から切り出し核へ移行させ、転写因子に結合して遺伝子発現を調節するユニークなシグナル伝達機構の制御にあると考えている。今回は、APPもNotchに類似したγ-セクレターゼによって制御される核へのシグナル伝達機構を持ち、それがアルツハイマー病の発症に関係している可能性を議論したい。