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上田城堀水より新属新種のキチン分解細菌を発見

生命機能・ファイバー工学専攻  生物機能科学講座

09年11月11日

生命機能・ファイバー工学専攻 生物機能科学講座の下坂教授らのグループは、上田城の堀から新属新種のキチン分解細菌を発見した。
自然界には多種多様な微生物が存在するが、その多くは研究室内の人為的な環境では培養が困難であり実体は不明である。

キチンは、カニやエビ殻の主成分の多糖である。河川、堀水、土壌など種々の環境にキチンを設置し、付着してくる細菌群を回収し混合後、キチン培地で培養を継続したところ強力なキチン分解能を示す安定な細菌群を構築できた。細菌群は4種類の細菌から構成され、キチン分解に対して相互に依存関係にあることが予想された。

そのうち、上田城の堀水に由来した強力なキチン分解細菌種は、生理学的試験、生化学的試験の結果、Neisseriaceae科の新属を構成する細菌種と断定した。本株を「キチンを好む」「信濃の国で見つかった」細菌という意味の学名Chitiniphilus shinanonensisで登録した。

Sato et al.,J. Gen. Appl. Microbiol. 55,147-153 (2009)

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