活動報告

地域枠セミナー(9月)を開催しました

9月14日(土)の地域枠セミナー(9月)では、大阪大学大学院人間科学研究科の平井 啓 先生に「医療現場の行動経済学」と題してご講演いただきました。今回は、地域枠学生(1~5年生)の他、県内高校生11名も参加しました。

講演後のグループワークでは、定期的ながん検診の受診、禁煙、適度な運動の実施などの健康⾏動を⼀つ取り上げて、⾏動を変えること、変えないことそれぞれについて利得・損失をフレームに基づいて話し合い その中から特に対象者に伝えるのが重要だと思われる内容を⽤いて(組み合わせて)、⾏動変容をよびかけるメッセージを作成しました。

以下が参加者の感想抜粋です。

☆患者さんと医療者で見えているものが違うというお話にはっとしました。医学的な視点も大切にしつつ、患者さんが不安に思っていることや望んでいることにも目を向けられる医療者でありたいです。

☆医療従事者には医療の知識のみならず、他の学問の知識を持ち合わせることでより効果的に医療を提供できると感じました。

☆現在の利益を優先したり、将来の負担は軽く見えたり、というのが患者の意思決定にも表れているということがとても印象に残りました。今回学んだことを生かして、どのようにしたら患者に自分の考えを理解してもらえるか、考えていきたいと思いました。

☆何となく患者さんと意思の間にある認識の違いというものは以前からぼんやりとあることだけ分かっていましたが、今日の講演で患者さんと医療者のバイアスについて分かりやすく比喩などを用いて説明してくださったので明確に分かるようになりました。将来、患者さんに医療について説明するときにとても役に立つ内容だと感じました。

☆患者さんと医師の視点の違いがあることを知ってコミュニケーションをとることがとても大切だと感じました。また、日常にも損失フレームや利得フレームなどに溢れてるなと思い興味を持ちました。医療は様々な職や学問に囲まれているなと思いました。

☆利得と損失のフレームを使い分けることにより、同じ意味でも伝わり方が全く異なるということを学ぶことができました。患者さんと医療者の考え方の違いも、今まで考えたことがなく、自分たち医療者が、患者さんが合理的な選択をするだろうという先入観にとらわれず、伝え方を工夫していかないといけないのだと思いました。