活動報告

第3回『深志課題探究ゼミ2022』を開催しました。

11月19日(土)に、信州大学医学部遺伝医学教室教授 古庄知己 先生を講師にお迎えして、2022年度第3回目の深志課題探究ゼミを開催しました。松本深志高校1年生27名と信州大学医学部医学科地域枠学生1-3年生35名が参加しました。

古庄先生には、「遺伝医学・遺伝子診断 NPIT/出生前診断を中心に」と題してお話しいただき、高校生と大学生を交え8グループに分かれての「NIPT(無侵襲的出生前遺伝学的検査)を必要としない社会の実現は可能か」をテーマとしたグループワークもご指導いただきました。


以下が参加者の感想の抜粋です。


※今日は出生前診断についての講義を聞きました。そしてダウン症や18トリソミーはどういうものなのか知れたし、NIPTの必要性を色々な視点で考えられたので良かったです。私はこの出生前診断のことに以前から興味があったので講義を聞いて議論できて良い機会になりました。


※今までと比べて、難しい内容だと思った。事前に資料を貰ったときは、NIPTは負担が少なく受けられるなど、良い制度であったと思ったが、実際にレクチャーを聞くと、必ずしも全員にとって良い制度ではないと思った。


※特別支援者に対する社会の受け入れ体制やそのような人たちには何が必要なのかを考えることができた。多様な人間が同じ社会で着られるようにするには人々の意識が変わることが必要だと思い、どのような命も大切にされるような社会になることを願いたい。


※ダウン症や18トリソミーの子供や家族は、私たちが思う以上に満たされた幸せな生活を送っていることに気がついた。しかし大半の健常者はその事実を知らずに、深層にある先入観から障がいを回避するための出生前診断をするのだと思うと、今日のように家族の幸福度を全員が知る機会をもてるといいなと思う。


※日本では障がい者への金銭的支援や、保健士や放課後デイサービスなどの地域の支援がきちんと整っていることが分かり、安心した。出生前診断について、受けても検査が陰性ならそれでいいじゃないかと思っていたが、いつか子供が、陽性だったら親は自分を産まなかったかもしれないと知った時どう感じるだろうか、という新しい視点を得て、陽性だったから中絶をする、陰性だったから産む、という結果に関わらず、受けるという行為そのものに責任がつきまとうなと思った。


※私は出生前診断というものを聞いたことがあり、生まれる前に色々わかる便利なものだと認識していましたが、今回の話を聞いて、子供の人生を選択するということが関係していて本当は必要のないものなのかもしれないと気づくことができました。もっとこのような機会が増えてたくさんの人に、出生前診断について正しいことを知ってもらえるようになればいいなと思いました。


※健常者と障害者という区分けがあるのが問題だと感じた。一人一人違うので大きくまとめる社会がなくなれば良いと思った


※出生前診断についての考え方は人により様々で、何が正しくて何が間違っているというものがないからこそ人の意見を聞くことで自分では考えることができなかった視点に気づくことができました。