活動報告

2022「地域医療」(医学科3年生)講義まとめ

今年度の医学科3年生の「地域医療」の授業では、4月6日、13日、20日、27日に、それぞれ、信州大学医学部附属病院総合診療科の関口健二先生、伊豆保健医療センター地域ケア部の北澤彰浩先生、諏訪中央病院総合診療科の水間悟氏先生、市立大町総合病院外科の高木哲先生にお話しいただきました。

以下が、4回の授業終了後の「学生の皆さんが考える地域医療の定義」と「4回の授業の感想」の抜粋です。

◎「地域医療の定義」

・さまざまな診療科について幅広い知識を持ち、専門分野にとらわれず「人」を診る医療

・患者にしっかり向き合う医療

・病院、行政、民間企業、住人が一体となって、地域の人々の健康を増進していくものであり、これこそがまさに医療そのものであるともいえる。

・その場所に必要とされるすべての医療

・医療そのもの。医療は、地域にあるものであるから、医療あるところには地域医療あり。

・専門にとらわれない横断的な知や技術が生かせる医療

・地域医療とは、医療の本質であり、地域に密接して地域の人々を診る医療である。

・地域医療とは、単なる人口の少ない田舎で行われている小規模の医療ではなく、その地域の住民や土地柄のニーズに合った形で医療を提供し、医療の中の一つではなく地域社会の中の一つである。

・患者、その家族、地域住民、地域全体を明るくする医療体制。

・人間性がより求められる医療。

◎「4回の授業の感想」

・地域医療でどのようなことをされているかだけでなく、医師として、人生の先輩としてこれからの自分達がどういう考えを持って何を大切にして過ごしていくのかを教えてくださる機会が多くとても為になる授業でした。

・地域医療では患者に対し謙虚に向き合うこと、患者のことを人としてしっかり思いやることが大切なのだと、総じて思った。

・4回とは思えないほど充実したものだったと思います。基礎医学が本格化し自分の道が隠れていくような思いがある中で、このように将来を具体的に見出せるような授業がこの時期にあるということをうれしく思いました。カリキュラム変更で次の年からはなくなってしまうそうですが、次の代の学生に対してもこういった授業ないしは何らかの形で講義があればいいと思います。

・イメージを覆すようなお話がたくさんあって面白かったです。

・総合診療を知ることができたとともに、地域医療とは限られた地域での医療を指すものではないと分かった。専門を極めることも大切だが、高齢化がすすみ寿命が延びるなかで、人々の体全体の健康を見る医療を提供できることは、人々の安心にもつながると思った。 今までの考えが変わりとても良い時間だった。

・実際に地域医療に携わる先生方の話をきくにつれ、地域医療に対する興味が深まると共に、時代と共に変遷していくニーズに対して、自分が何をできるか考え、自ら行動・対策を起こしてみることに憧れを抱いた。

・今までは、地域医療と聞くと少し力を抜いて仕事をしたい人が行くところだというイメージがあったが、全体の授業をとおして、特に医療的な部分はもちろん、それ以外のところにも様々気を向けることが求められるという点でやりがいがある仕事だと感じるようになった。

・地域医療というのは、医者が足りていない地域に医者を派遣するくらいのイメージしかなかったのですが、実際は患者さんのために何ができるかを医者各々が考えることから始まるのだと気がつきました。患者さんの最善を考えた結果として地域全体の医療の質が向上するのだと思います。

・これまでの授業を受けてきて自分の中の地域医療に対するイメージが大きく変化したと思います。授業を受ける前までは都心から離れた医師の過疎地域における医療というイメージが地域医療にありましたが4回の授業を通し、地域医療はあらゆる地域における医療のことを指し、普遍的なものであるということを学びました。また、地域医療は専門的な医療よりかは総合的な医療を実施する能力が求められており、これからの時代の医師に求められる力の1つとなっていることを知り、1つの分野にとらわれることのない広い視野が必要であると感じました。

・地域医療というのは田舎の医療という当初のイメージがこの4回の授業でがらりと変わった。また、医療とは何かというのも改めて考えさせられた。4回の授業で共通していたのは病院の中だけでは完結しない地元住民とのより深い関わりであり、病気を治すことだけが医者の仕事ではないとわかった。4人の先生方からいただいたメッセージを頭に入れながら、まだまだ先ではあるが今後の実習や卒業後の研修も頑張っていきたいと思った。

・地域医療・総合診療に興味があり、それを学びたくて信大を目指したので、学びたいことを学べているという充実感があり感激しました。実際に地域医療を実践されている四人の先生方のお話はそれぞれ違って面白かったのですが、共通して地域医療への熱意と使命感を感じ取りました。リアルなお話を聞くことができて大変貴重な機会でした。地域医療とは何かを自分なりに定義することができるようになったのは、私にとって大きな進歩だと思います。