活動報告

自主研究演習レクチャー④

自主研究演習でのレクチャー④

6月29日(火)に「地域に根差した医療の実践」と題して 市立大町総合病院総合診療科 金子一明 先生にレクチャーいただきました。


感想抜粋:


・日本の医療の問題については多くの先生方にご講義いただき、自分自身の問題として考えられるようになりました。しかし、今回、日本は経済に関しても大きな問題を抱えていることを数値で詳しく知ることができました。海外に遅れをとっていたり、「孤独」が健康リスクを高めるという点について、このコロナ禍ではワクチンも海外のものですし、人とのつながりもますます希薄になったと思うので、問題が深刻化していると思います。医療だけでなく様々な分野を学ばなければいけないと痛感しました。


今日のご講義で特に印象的だったのが、地域医療の定義の「継続的に」というところです。私は保健師の活動に参加させていただいた経験があり、これからの医療を考える上で予防の大切さを学びました。生活習慣病や介護を予防するために介護予防体操の教室を開いたり、地域住民のつながりを作るためにマレットゴルフや囲碁教室を開催するなど、多くの活動が地域で行われていました。いずれも盛況で、行政や保健師が働きかければこんなにも住民の方は応えてくれるのだと感動したのを覚えています。しかし行政で長期に渡って一方的に社会資源を与えるのには限界があると思うので、今日のご講義であったように、医療者が地域の一員となって参加し、住民が自分たちで主体的に予防活動を続けていける基盤作りが本当に大切だと感じました。そのためには医療の知識だけでは不十分なので、やはり自分で地域に出向いた経験と、本から得られる知識を、学生の今のうちに積んでおく必要があると思いました。


まだ現場にでるまでに時間がたくさんあるので、今自分ができることから始めていこうと思います。


・講義の中で質問させていただいた際にも申しましたが、今の日本・これからの日本で医師として生きていく上でまず現状を理解し、その上で自分が何を成すかということを考えていくことが大切であると理解いたしました。また、私自身は地域での訪問診療などをする『土着の医師』として生きていきたいという希望のようなものがあるので、金子先生がご講義の最後の方でおっしゃっていた『本を1トン読む』などの活動を通していろいろなことに対する見識を深め、将来の糧としたいとおもいます。


・看取り難民という言葉を初めて聞きました。病床を減らす分、在宅医療を増やすということで、自分の頭の中では辻褄が合っていたので、病院でも在宅でもない、その他が発生するとは考えもつきませんでした。家で亡くなりたいという希望が叶うという面だけが先走っている様な気がしますが、病床を減らすという政策の裏でこれだけの看取り難民が発生するというのがどこまで知られているのだろうかと思いました。 


 患者さんではなく、地域を診断するという概念も今回初めて学びました。一枚の写真からあれだけのことが分かるというのが面白く、自分もそういう目を持てるようになりたいと思いました。健康を個人の問題で片付けることなく、社会全体の問題として捉えるからこその視点だと思いました。最初は、健康は個人の意識の問題だと思う部分もあったのですが、お話を聞いているうちに健康と密接に関わる生活の部分を知るためにはその地域自体の理解が重要だと思いました。