活動報告

諏訪清陵高等学校附属中学2年生「医学部研修会」を開催しました

令和年9月20日(金)と21日(土)の二日間にわたって、信州大学医学部附属病院外来棟大会議室と信州大学旭総合研究棟AB講義室にて、諏訪清陵高校附属中学校の2年生80名を対象に医学部研修会を開催しました。今回で5回目となる今回の研修会では「命~移植医療を学ぶ」を主テーマに、添付のようなプログラムにて脳死移植(主に肝移植)、生体移植(肝移植)を学んでいただきました。

参加生徒さんに記入いただいた一日目の振り返りシートからの抜粋

・臓器移植では様々なジレンマがあり、それらの完全な解決は難しいが、最善の道を協力して探していくことが重要。中でも人の死を決めることや、他の人の死を待つことなどの重さや、ドナー、レシピエントの苦労が分かった。

・「医療者は皆、悩んでいる。」脳死ドナーや家族⇒死の時期を決めてしまうこと。レシピエント⇒人の死(脳死)を待つことに対する自責の念は?、コーディネーター⇒常に中立の立場でいなければならない。医療スタッフ⇒皆が納得できる方法を探す。

・臓器移植に関わる仕事について話を聞くことができ、ドナーの家族・身内との関係性、レシピエントと家族・身内との関係性の大切さを学ぶことができた。また、仕事での実体験について話を聞くことができて、仕事に対する思いや仕事で起きたとてもつらいことについて知ることができ、様々な事を考えられた。また、自分も臓器移植について家族と話し合ってみたいと思った。

・子供がドナーカードでいくら意思表示しても、それがどれだけ大きな重要なことかは理解できていないと思う。ドナーカードはこんなに簡単に書けていいものなのか。

・調べた、親から聞いた、授業でやった、など私の知識は表面だけの浅はかなものだったと思う。医者の立場、ドナーコーディネーター、レシピエント移植コーディネーターの方のお話を聞き、ネットの情報、人から聞いたことでは分からない臓器移植、医療の難しさを感じた。移植医療だけではないが、人の命に直結する場所ではジレンマがいつでもあると思うので、様々な立場の人の思いを知り、そこから学びたいと思う。

・人が亡くなることに対しての悲しみはあってもいいけど、臓器移植(臓器提供)することに対しての後悔があってはいけない。そのためにドナーコーディネーターがサポートしている。

・大切な人の死を決めることは何よりも苦しいだろうなと感じた。ひたすらに応援し願っている家族の気持ちを考えると自分の家族に会いたくなった。自分が脳死になった時は臓器を提供してほしいと思うけど、家族がなったらと思うと葛藤がよくわかる。

・自分が意思表示することの大切さを学んだ。それは提供して欲しいということだけでなく、提供してほしくないことも意思表示できると知った。それぞれに権利があるということを知った。そして命の大切さと尊さを改めて感じた。

・脳死後の臓器提供はすなわち、その人が死んだことを認めることになります。患者の家族にとってそれは本当に辛いことだと思うし、それに「寄り添う」ということを簡単に言うけれど、それがものすごく大変だし難しいことだと感じました。

・ドナー側とレシピエント側のコーディネーターの苦労・苦悩、それをサポートする医師、看護師の話に最も強い印象を受けた。