活動報告

第1回「地域医療」(医学科3年生)講義

医学科3年生を対象とした「地域医療」の授業が始まりました。4月4日の第1回目には、伊那市国保美和診療所所長の岡部竜吾先生を講師にお迎えしお話しいただきました。

以下が学生の皆さんの感想の抜粋です。
・地域の住民とのもちつもたれつの関係が、とても大切だと思った。いい意味で適当(難しく考えすぎない)なやり方がよかった。

・イメージとして地域医療は遅れているというイメージでしたが、先生のようにエビデンスのある情報を使い、論理的な医療も出来ると言うことに驚きました。

・自分が医学科に入るときに、こういう医者になりたい!と思ったその感じの先生だったし、話だった。

・患者本人、家族、医療スタッフで合意点を見つけ、軟着陸するのが在宅医療で、重要という事に納得した。地域医療や在宅医療の具体的な経験について、美談のみならず現実を話していただいたのでとても参考になった。

・医師にも多様な生き方があるのだと感銘を受けた。学生の自分は病気の仕組みや原因をコツコツ勉強しているだけだが、患者さん1人1人に合わせた柔軟な対応が現場では求められるようなので、上級生になった時の実習でそういった面もしっかり身につけたいと思った。

・家族に囲まれた在宅医療は理想のかたちとして宣伝されている現在ですが、介護する側、しかも高齢者やひとり親の世帯では難しいと実感しています。講義を聞いて、地域医療の実際を見て不便さだけではないことや、特有のやりがい面白さを知ることができたのはよかったです。また、先生の農山村や今の時代の流れに対する懐疑的な意見を聞くことができて、すっきりしました

・いざ医学科に入ると、地域医療って何か特別なものなのか、都心や大学病院の医師とどういう違いがあるのか、時代に取り残されるだけなのではないのか、どういう医療が求められているのか...など、知識が無かったので疑問に思うようになりました。地域医療とは私が思っているよりももっと広い意味で「総合的」に見ているということが、良くわかりました。失礼な話ですが、地域医療って思ってたより攻めていてかっこいいなと思いました。

・地域医療へのシフトチャレンジにより先端医療から離れてしまうのではないかというのは私も疑問に思っていました。ある程度専門の限界を見てからでもいいという言葉で少し救われたような感じがしました。地域のためにもなりたいけれど、先端医療や様々な症例を体験したいというジレンマに解決の糸口が見えかけた気がします。

・地域医療は見方の狭い医師には務まらないと思った。専門、細分化され医師は病気を治すだけの存在となっている。高齢化社会を生きる日本人として、自分の仕事だけを考えていてはいけない。広い視野、謙虚さ、どれも当たり前に身につけなければいけないが、柔軟な思考が出来る医師になりたい

・「まじめになるほど患者さんの背景が見えなくなる」「重要なのはどのような患者が病んでいるか」「お互い様の関係」など、パズルのピースがはまるかのようにスッと自分にはまる言葉がいっぱいありました。ばあちゃんが「お互い様の関係」についてよく話していたのを思い出しました。「地域を健康にする医療」が地域医療っていうのは、とても納得がいきました。話を聞いてより一層そういう医療を提供できるようになりたいと思いました

・誤嚥性肺炎の患者を治療するかどうか、という問題について、医療費や今後の事を考慮すると、治療するのがベストではないときもあるのかもしれません。でも、その人を大切に思う人、一秒でも長く生きてほしいと思う人がいる限りは治療すべきだ、と先生は話して下さいました。このように言える先生だからこそ、地域の多くの方々から信頼されているのだなと学びました

・ご紹介いただいた「近者悦、遠者来」という言葉がとても心に残りました。グロ-バル化がすすむ昨今においては内向きだと言われるかもしれませんが、私は将来地域で働き、地域の人々に貢献できたらと思っているので、この言葉が自分の励みになるような気がします

・地域医療ははただ単に地方で医療に従事すればいいという訳ではなく、実際の相対する患者だけでなく、目に見えない住民双方に目を向ける必要があり、自分のイメージよりはるかにスケ-ルが大きい医療の分野だと学んだ

・高齢化は将来的、都市部の問題となり、現役医師となる我々にとっても先見の明を持ちつつ対処しなければならないという事実。地域医療の必要性は地方ではなくむしろ都会で、これから高まっていくということ