活動報告

第9回信州医療ワールド夏季セミナーが開催されました。

平成27年8月23日(日)から25日(火)の日程で、信州大学医学部附属病院を主会場に第9回信州医療ワールド夏季セミナーが開催されました。信州大学を含む全国10大学より医学科3・4・5年生25名が参加しました。

一日目の8月25日には、開会式・icebreakingの後に、「認知症と向き合う」をテーマとした、スタッフを交えてのワールドカフェ形式のグループワークを行いました。J

A長野厚生連北アルプス医療センターあづみ病院精神科副部長の樋端佑樹先生とNPO法人北アルプスの風代表理事の神谷典成さんの、それぞれ医療の視点から「認知症をどう考えるか?~医療の役割とは?~」、介護の視点から「認知症高齢者を地域で支えるためには」と題しての講演をはさみながら行いました。
樋端先生には、認知症の疫学、診断、治療ならびに医療福祉介護の連携の重要性についてお話しいただきました。また「医療福祉における医師の重要な役割は、本人および周囲の生命予後とQOLの積分値を最大化すること」、「関心を持って見ると、真のニーズが見えてくる」「便利に使いやすい医者になって欲しい」など、医学生へ多くのメッセージをいただきました。

神谷さんには、介護保険を取り巻く状況、地域包括ケアシステムに必要な医療と介護の連携の重要性、ならびに認知症ケアへの介護職・介護者の役割についてお話しいただきました。法人のグループホームでの生活支援の実際のDVDを見たり、ライフヒストリーからのアプローチの仕方を聞くなど、参加者にとって大変貴重な機会となりました。

グループ発表では、各グループのまとめの意見として、

①医師はもっと医療以外の介護などについて学ぶ必要がある

②そもそも認知症を病気ととらえるべきなのか

③患者さん自身あるいは患者さんの家族になる可能性を考えて、事前に関心を持ち知識を得る必要性がある

④患者さんの人生のつながり、患者さんと患者さんを取り巻く家族、介護者、医療者、地域の人々とのつながりを尊重したい

⑤親身になる医師になりたい

⑥認知症ケアにおいては、医療と介護の境はあいまいでよいのでは、多方面からのアプローチが必要、すなわち"抱"括が求められる。

が出されました。
その後の、ウエルカムパーティーである懇親会ならびに二次会も大変盛り上がったものになりました。

二日目の8月24日には、希望に合わせて信州大学医学部附属病院の診療科ならびに県内臨床研修指定病院の見学会を行いました。どの受け入れ先も大変丁寧に対応していただき、参加した学生の皆さんの満足度も大変高いものでした。

三日目の8月25日(午前のみ)には、3グループに分かれて、「研修病院をどう決める」をテーマにワールドカフェを行いました。参加学生同志が医師としての将来について自由に話し合う事で交流がさらに深められたようでした。その後、卒後臨床研修センターの森田先生の初期臨床研修についての講演があり、引き続いて、参加した学生の皆さんへ修了証書を授与し第9回信州医療ワールド夏季セミナーを閉講しました。