「第32回地域医療推進学講座セミナー」が開催されました
2015.4.21更新

4月16日(木)に日下隼人先生を講師にお迎えし、
「医療の場のコミュニケーション① 聞くこと・話すこと」と題したセミナーを開催しました。
今年度はさらに9月10日、12月17日に開催を予定しています。
今回のセミナーでは、
・医療者と患者さん・家族のギャップを埋めるのがコミュニケーション。共通性を成立させる、すなわち、情報、思想または態度を共有する試み。
・適切なコミュニケーションで、みんなが心配している・歓迎されている
・大切にされている・敬意を払われている・認めてもらえている、と感じたら、患者さんは嬉しい。
・医療の場では言葉は通じない。医療者と患者さん・家族の間では、はじめから、ボタンは掛け違っている。医療者は言葉が通じていると思いがちだが実は患者さんが我慢を強いられている。
・言葉は送るでなく贈る。心に届いてこそ贈るになる。
・コミュニケーションは聴くことから始まる。話を聴いてくれない人にこれ以上話したくない。話を聴いてくれない人の話は聴けない。
・医療者が聴く⇒医療者が訊く(質問する)も大切。
・患者さんの言葉と心は絶えずずれる・変わる。本当のこと、言いたいことすべてを言っているわけではない。
・病気から始まる新たな物語の書き出しには、そばに居続け、聴いてくれる人の存在が大きい。
・患者さんの後ろに広がる世界、不断の暮らしている世界、それまで生きてきた歴史・思いそれらが生き生きと見えてくるような聴き方を求めたい。
・専門用語での説明・話は異文化コミュニケーション
・これだけはわかってほしいことを、ポイントを押さえて、全体が見渡せる説明を。その上で、「入院って、いやですよね」「こんな病名は怖くなってしまいますよね。」「聞きなれない言葉が多くて戸惑われたでしょう。」などの言葉があれば。
・聞いたのみの言葉は、ほとんど記憶から忘れ去られる。
・医療に関して翻訳して話しても、患者さんにとってはビルの30階から20階に下りた程度。
・質問がでる説明が、少し理解してもらえた、質問するに値すると認められた説明である。質問からが本番であり、医師の説明はあくまで序曲。
・患者さんの「わかりました」は、自分の置かれた状況を受け止めよう、この医者にかけてみようという意思の表現。